台湾での運航
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その後、防衛省にて離島奪還作戦に不可欠な高速輸送艦として利用するため購入が検討されるなどの動きもあったが、結局2012年10月に台湾の華岡集団(中国語版)(Wagon Group)に約54億円で売却された。華岡集団では傘下の東聯航運(中国語版)(Uni-Wagon Marine)において、台北港と福建省中部の平潭島間の航路に利用する方針を明らかにしていた。 2013年8月7日から9月8日までの間、台湾の蘇澳港(中国語版) - 花蓮港(中国語版)の航路に週6往復の計画で仮運航を開始した。片道料金はエコノミークラスで700台湾ドル(2013年8月現在約2,246円)で、同区間の台鉄北廻線の運賃と比べると高額であるが、観光ツアー客の乗船と災害時の緊急輸送を見込んでいた。船名表記が麗娜輪と改められたが、英語表記は NATCHAN RERAのままで、船体塗装も維持されている。 2014年5月27日から、台湾の台北港と中国福建省の平潭島間を結ぶ航路に就航した。これは、台湾所属の客船で運航される史上初の台中定期航路である。就航当初は、週2往復、所要時間は片道3時間で、運賃はエコノミークラスで3,450台湾ドル、ビジネスクラスで3,950台湾ドル、ファーストクラスで4,500台湾ドルである。就航当初の時点では、台湾と中国の間の車両交流に対する会談が行われていないため、旅客のみの乗船となった。車両輸送も検討されたが、実現にはナンバープレートと運転免許の相互認証に関する問題の解決が必要とされた。 2015年6月、船体の船名表記が「麗娜輪」から「麗娜」に変更されているのが確認された。ただし、華岡集団のウェブサイト等では引き続き「麗娜輪」の船名が用いられている。 2016年4月、華岡集団と沖縄県の総合物流グループであるシンバネットワークのあんしんが共同で、本船を花蓮 - 石垣航路に就航させる計画を発表した。片道の所要時間は最短4時間で試験運航の第1便は台湾の蕭美琴(中国語版)立法委員を代表とした経済交流視察団約100名を乗せて2016年5月14日夕、石垣港に初入港した。2015年内に10回のチャーター運航が予定され、将来的に週1便程度の定期運航が構想されていた。しかし、石垣港への入港は試験運航の1回のみで、以後の運航は数度にわたり延期され、2017年11月には台湾での集客が見込めないこと等を理由に運航を断念することが明らかになった。
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