古語の残存
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声調が北京語の4声に比べて狭義の閩南語の場合7声前後と多く、発声、語彙、文法の面で、中古中国語の残存が見られる。閩語の内部では、例えば「鍋」を「鼎」と呼ぶなどの語彙の共通性がみられるが、これも中古中国語を残存している。 これは中原の漢語音が華南の漢化によって広まったため、特に周辺地域である福建において、古い時代の音が残されたと考えられる(ジェリー・ノーマン、または方言周圏論の考え方などを参考のこと)。 日本における漢字発音の漢音は唐時代に伝来されたため、閩南語の発音との類似が見られる。例えば、「世界」(sè-kài)、「国家」(kok-ka)、「了解」(liáu-kái)、「健康」(kiān-khong)、「感謝」(kám-siā)などの発音は現代日本語と似て聞こえる。
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古語の残存
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 08:40 UTC 版)
かつて中央語(奈良時代までの奈良、平安時代から江戸時代中期までの京都、江戸時代中期以降の江戸・東京)で使われ、現在は中央語で廃れて古語となっている語彙の中で、中央以外の地域に方言として残っている例がある。秋田方言にもそのような例を見ることができる。また、特に日本では京都の言葉が中央語だった時期が8世紀末から18世紀中頃までの1000年近くに及び、その間は京都の語彙が京都から土地伝いに同心円状に広がっていくことを繰り返したため、京都からの距離が同程度で地理的に隔絶した東北地方と九州地方にかつての中央語から変化した同じような語彙が見られることもある。これは柳田國男の『蝸牛考』で指摘されたことで、「方言周圏論」として知られている。 秋田方言に見られる古語の残存として代表的なものには、アクド(踵、「踵(あくと)」から)、アゲンジ(蜻蛉、「蜻蛉(あきづ)」から)、ウダテ(嫌だ、「転て(うたて)」(ひどく)から)、シャンブギ(咳、「咳(しはぶき)」から)、タロンペ・タロッペ(氷柱、「垂氷(たるひ)」から)、トンジェネァ・トゼネァ・トンゼンダ(淋しい、退屈だ、「徒然無い(とぜんない)」「徒然だ(とぜんだ)」から)、ナンジギ(額、「脳(なづき)」から)、ネマル(くつろいで座る、「ねまる」(座る)から)、ハシェル(走る、「馳せる(はせる)」から)、マナグ(目、「眼(まなこ)」から)、メコ゜エ・メンコエ・メンケ(可愛い、「愛し(めぐし)」から)などがある。
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