双方向クイズ番組の減少の原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:40 UTC 版)
「双方向番組」の記事における「双方向クイズ番組の減少の原因」の解説
BSデジタル放送が開始された当初は、目玉機能の1つである双方向を活用した番組が数多く存在した。しかし放送開始から5年程度経過するとほとんどの番組が終了している。これにはいくつかの原因が考えられる。 個人情報の保護 当初、BS放送各局ごとに双方向会員制度が存在した(クラブBSフジ、BS-iクラブ、クラブA&Dなど)。視聴者は会員登録をして番組に参加し、放送局はその個人情報を基に参加データを集計したり当選した商品を発送したりしていた。しかし個人情報の漏洩が社会的な問題となる中、双方向クイズ番組に参加した視聴者の個人情報が流出する事件が発生。その後個人情報保護法成立に合わせる形で双方向会員制度が消滅し、それに伴ったのか双方向番組自体も軒並み終了していった。代わりにチューナーごとに個人情報を記憶させたりして、必要になったときにその都度データを送信するシステムができた。 放送事故 双方向クイズ番組は放送画面とデータ放送が連動することで楽しむことができる(放送画面とデータ放送でクイズ出題のタイミングが一致する、正解の選択肢が一致するなど)。しかし様々な要因によって、放送中回答するべき場面でボタンを押しても反応しなかったり、放送画面の正解とデータ放送の正解判定が異なるという放送事故が起きることがあった。このような制作に手間のかかる番組が敬遠されるようになったのか、クイズ番組は減少していった。 視聴者層の違い BSデジタル放送が普及するにつれ、地上波と比較して高い年代を視聴者ターゲットにする傾向が強くなった。結果的に主に若者・家族層をターゲットにしていたクイズ・ゲーム番組は減少していった。 マンネリ化 双方向クイズ番組は「視聴者が気軽に参加できる」ことを売りにしていたものの、いわゆるクイズマニアの参加によってランキングの上位を常連が占めるようになる。番組側は運の要素の高い問題を出したりゲームの配点を上げるなどの対策をとったものの、初めて参加する人や機器の操作に慣れない人は番組に参加しにくい状況となってしまった。次第に番組全体のマンネリ化が進み、双方向クイズの限界が訪れたのか、番組が終了するようになった。 電話回線 BSデジタル放送初期は電話回線を使っていたが、BSデジタル各放送局が設定したナビダイヤルサービスを提供する通信会社(NTTコミュニケーションズとKDDIのどちらか)に決められているため、マイラインなどの対象外であり、日常使用する通信会社以外の場合は請求書が送付されることもあった(日常使用する会社である場合は合算される場合もある)。固定電話のみでIP電話や携帯電話に対応していないため、参加したくてもできないことがあった。現在は、携帯電話(スマートフォン含む)に指定された電話番号に電話をかけ、音声ガイダンスに従ってショートメッセージサービスを受け取る「空電・空電プレミアム」の方式が多用されている。
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