医薬品規制当局の見解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:17 UTC 版)
「セラリズマブ」の記事における「医薬品規制当局の見解」の解説
イギリスの医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は2006年4月5日にTGN1412臨床試験の調査中間報告書を、同年5月25日に最終報告書を公表した。TeGeneroの前臨床研究に不備は無く、非公開の研究があった証拠も発見されなかった。パレクセルの記録と手順書を調査した結果、薬剤の計量や投与に逸脱は無く、汚染または過量投与に繋がる恐れのあるミスは見つからなかった。MHRAは、深刻な有害事象を引き起こす行動は為されなかった様に感じた。ドイツの規制当局はTGN1412の原材料や製造法、品質管理、保管状況、配送手順について査察したが、深刻な副作用の原因となり得る逸脱を発見できなかった。 MHRAは、臨床試験での副作用の原因として最も可能性の高いものは、ヒトに対する薬物の予測不能な生物学的作用であると結論付けた。イギリスの保健相(英語版)は、これらの問題を検討して今後の同種の臨床試験の承認に資する中間報告を3ヶ月で作成する為の国際的専門家のグループを設立することに同意した。専門家グループが報告する迄、免疫系を標的とするモノクローナル抗体やその他の新規分子のfirst-in-human試験を含むあらゆる臨床試験はイギリスでは認可されなかった。 2006年12月、第I相臨床試験に関する専門家グループの最終報告書を公表した。その中で、ヒトへの投与における安全性は充分に考慮されておらず、当時の法律では配慮が必要とされていなかった事実が明らかとなった。報告書には22項目の勧告が記載された。高リスクな臨床試験の承認に先立って第三者の専門家の助言を必要とする事、万が一の急激な有害事象に備える為に1度に1人づつの被験者に薬剤を投与する事(参加者を逐次的に含める)、急速注射ではなく緩徐に点滴静注すべき事、等が含まれていた。
※この「医薬品規制当局の見解」の解説は、「セラリズマブ」の解説の一部です。
「医薬品規制当局の見解」を含む「セラリズマブ」の記事については、「セラリズマブ」の概要を参照ください。
- 医薬品規制当局の見解のページへのリンク