北朝鮮ミサイル発射対応に見る現状の配備状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:00 UTC 版)
「パトリオットミサイル」の記事における「北朝鮮ミサイル発射対応に見る現状の配備状況」の解説
2009年に行われた北朝鮮のミサイル発射実験に対して、政府は落下物があった場合の備えとして政府下命により自衛隊ではミサイル防衛を行った。また、行政当局は全国瞬時警報システムを実際に稼働させた。この際の様々な事例から、個々のソースでは判別しない状況が露になった。 2007年度に第1高射群配備・2008年度に高射教導隊と第2術科学校配備とされていた部隊は、必要とされた時期にフルスペックでの展開を行えなかった。発射装置は各1台単位であり、今回は撃破目的でなく(完全)破壊目的であったため、PAC-3のみが展開したが、訓練弾まで搭載する若しくは少数のみ搭載するほどのミサイル弾体の装備状況と見られている。これらは予算措置上、システム導入費と別立ての弾薬など購入がいまだゆっくりとしたペースでしかなされていない姿を露呈した事になる(1度に導入した迎撃弾は1度に用途廃棄処分となってしまい、部隊維持上好ましくない。また、性能向上も織り込めない)。 軍事評論家の江畑謙介によれば、射程1,000-1,300キロメートル・弾頭重量1トンの準中距離弾道弾ノドンは、ミサイルサイロ以外にも輸送起立発射機(TEL)または貨物船風の工作船からも発射可能であり、近年その保有について議論に上がってきている自衛隊の敵基地攻撃能力では完全な捕捉・制圧することが困難であると推定されている。性能的にもある程度の命中精度(半数必中界が2-3キロメートル程度)・実用上の十分な信頼性を持ち、かつ200機から300機規模と言われる配備状況に対して、MDの終末迎撃能力は現性能では質・量共に構築途上であり十分とは断定できない事が各所報道によって報じられている(ただし、パトリオットがそうであるように、300基の弾道弾の保有は、同数即時使用が可能な事を意味しない。day0hourに同時に発射可能な物はその数分の1、目標に到達する物は更にその何割かである事が知られている)。 このように多くの問題が指摘されたものの、現状の把握と今後の発展の可能性・必要性、問題点の洗い出しができたと評価する声も見られる。
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