北斗の掟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 23:59 UTC 版)
北斗神拳はその凄絶な力と創始者の悲話ゆえに一子相伝とされており、伝承者だけが次代に北斗神拳を伝えることができる。また伝承者以外は他流との闘いで奥義を封じねばならず、次代に北斗神拳を伝えてはならない。 伝承者候補になった場合は、奥義を教えられた後に候補者同士で争い「心技体」や人間性に優れたものが伝承者に選ばれる。伝承者の決定は先代伝承者が決定するか、候補者が1人を残して全員辞退することで決定される。なお、伝承者争いに敗れた(辞退した)者は、「自ら拳を封じて隠居する」か、「伝承者によって拳を破壊、もしくは記憶を奪われて拳を封じられる」のが掟である。しかし実際のところは暗黙の内に掟が緩くなっており、伝承者になれなくても北斗神拳の「拳法としての使用」が禁じられるだけであり、トキのように隠居後も北斗神拳の技や知識を医学の一種として活用することまでは禁じられてはいなかった。なお、一子相伝とはいえ、伝承者が他の伝承者候補の拳を封じることはまれであり、リュウケンに伝承者の座を譲り、自ら拳を封じたコウリュウはラオウとの戦いでは独自の北斗神拳を披露した。 このような一面はあるが、伝承者でなければ次代に北斗神拳を伝えてはならないことだけは確実に守られていた。 南斗聖拳との関係では、原作でリュウケンの言い残した「北斗と南斗は表裏一体。争ってはならない」という戒めがある。南斗との戦いを禁じて、それより生じる大きな禍を未然に防ぐ意味合いがあったが、シンは、自己の欲望からこの戒めを無視してケンシロウに挑んだ。ケンシロウもシンとレイとの戦いまでは最初こそ北斗と南斗の争いをためらっていたが、結局は戦っている。物語が進み佳境に入ってくると北斗と南斗の戒めは形骸化し、ラオウ対レイ、ケンシロウ対シュウ、ケンシロウ対サウザーと、北斗VS南斗の構図はもはや当然となり、多くの場合は勝敗もついている(牙一族を欺くため故意に相打ちに見せかけたケンシロウ対レイの場合を除く)。 北斗四兄弟の中で最も伝統と戒律を重んじるトキですら、サウザーの最期を見届けた後「残る(南斗六聖拳最後の)一星とも闘わねばなるまい」と発言し、表裏一体の掟が既に無意味となっていることを認めている。さらに『天の覇王 北斗の拳ラオウ外伝』においては、ラオウと、そして対戦した南斗の拳士(ハッカとリロン、ユダ、サウザー、リュウロウ)との間には、最初から「北斗と南斗は表裏一体」の一文は無きに等しく、闘いを繰り広げた。 そのような状況にあっても南斗最後の将たるユリアだけはこの掟を固く守り、北斗との融和を望んでいたことがシュレンの口から語られている。
※この「北斗の掟」の解説は、「北斗神拳」の解説の一部です。
「北斗の掟」を含む「北斗神拳」の記事については、「北斗神拳」の概要を参照ください。
- 北斗の掟のページへのリンク