創造論批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 07:33 UTC 版)
「リチャード・ドーキンス」の記事における「創造論批判」の解説
ドーキンスは創造論、すなわち「人間性や生命、世界は神によって創造された」という宗教的信念に対する熱烈な批判者である。彼は創造論を「不条理、知性の減衰、虚言」と表現している。1986年の著書『盲目の時計職人』と2006年の『神は妄想である』では創造論における重要な主張であるデザイン論の時計職人アナロジー(およびフレッド・ホイルのジャンボジェット・アナロジー)に反論を行っている。時計職人のアナロジーは18世紀のイギリスの神学者ウィリアム・ペイリーが『自然神学』で用いたもので、「時計のように非常に複雑で高い機能性を持つ存在がただの偶然で生まれるわけはなく、生命はそれ以上に複雑なのだから、それは意味深遠なデザインの証拠なのだ」とした。しかしながら、ドーキンスは、「自然選択の累積的な力は生物の世界の機能的で非ランダムな複雑さを説明することが可能である」とした。「自然は自動的で、無知性的で、"盲目の"時計職人の役割を果たしている」と述べた。また同書では「中間型の器官や行動は役に立たない」とする創造論の主張に対しても、「中間型の眼や翼が役立たないという前提に根拠はない」と述べた。 1986年に行われたオックスフォード協会のハクスリー記念討論で、ドーキンスとジョン・メイナード=スミスは若い地球の創造論者(「地球は6000年前に創造された」と主張している)のA.E.ワイルダー=スミス、および聖書創造協会の会長エドガー・アンドリューズと討論を行った。しかしそれ以降、ドーキンスはスティーヴン・ジェイ・グールドの忠告に従って公的な討論を拒絶している。「創造論者は"社会的認知を得るための酸素" として討論を渇望しており、議論で打ちのめされることを意に介しない。公的な場で討論したという事実が、彼らを認めていることになるからだ」とグールドは述べた。 ドーキンスはまたインテリジェント・デザインを理科教育に含めることを「それは科学的な主張ではない。宗教の一つだ」と述べ、猛烈に反対している。創造論を公立学校の教育に持ち込もうとするイギリスの団体「科学における真実」の強力な批判者であり、そのような試みは「教育のスキャンダル」だと述べた。
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