創造論・インテリジェントデザインとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 01:06 UTC 版)
「工業暗化」の記事における「創造論・インテリジェントデザインとの関係」の解説
進化の事例としてのオオシモフリエダシャクは創造論者とインテリジェント・デザイン支持者といった、反進化論者が好んで取り上げ、否定しようとする題材の一つである。 彼らがオオシモフリエダシャクを気に掛ける理由として、マイケル・マジェラス(en:Michael E. N. Majerus)は「オオシモフリエダシャクのストーリーは理解しやすい。それが反進化論者がオオシモフリエダシャクのストーリーをロビー攻撃する理由だ。彼らは、多くの人が理解できてしまうだろうということを恐れている。」と考察している。 米国のNational Center for Science Educationの元広報プロジェクトディレクターであるニック・マツケ(en:Nick Matzke)もまた、オオシモフリエダシャクの事例における、自然選択によってもたらされた変化の急速さと明らかな適応的有利さは反進化論者を不快にさせていると述べた上で、そのことが、彼らがわずかな論争を嗅ぎつけたときに不釣り合いに大騒ぎする結果を導いたと考察している。 ジェリー・コイン(en:Jerry Coyne)は、ケトルウェルの実験を、鳥による捕食だと結論するには不足だとして批判したが、オオシモフリエダシャクの工業暗化が自然選択による進化であることは疑いがないと考えており、米国の創造論者が(コインのレビューを引用して)オオシモフリエダシャク(のケトルウェルの実験)の問題を進化論そのものの反駁として売り込んだことを問題視した。 オオシモフリエダシャクへの(不当な)批判は、進化論そのものを学校教育から排除する材料として使われることもある(参考:進化論裁判)。2000年11月28日、カンザス州プラット郡の教育委員会は、ジョナサン・ウェルズほかインテリジェント・デザイン支持者によるOf Pandas and People(この本の中でオオシモフリエダシャクにおけるケトルウェルの実験は詐欺的で演出されていると書かれている)のような、インテリジェント・デザイン支持者から推奨される代替教材(進化を否定する)を使うよう要求することを採択した 。コインとグラントはそれぞれ、カンザス州プラット郡の地方紙であるPratt Tribuneに対して、オオシモフリエダシャクの実験を擁護し、ウェルズの不誠実・不正確な記載を指摘するレターを投稿した 。
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