別な定式化と一般化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 22:24 UTC 版)
北極 (0, 0, 1) から南極 (0, 0, −1) における接平面 z = −1 への立体射影を定義する文献もある。この射影によって得られる座標 X, Y は前記の節で記述した赤道射影 (equatorial projection) のちょうど二倍の値を与える。例えば、この射影により赤道は原点を中心とする半径 2 の円に写される。赤道射影の場合に赤道面に沿った無限小面積で歪みが無くなるのに対して、この極-接平面射影の場合では南極における無限小面積が歪んでいない。 別な文献 Gelfand, Minlos & Shapiro (1963) では半径 1/2 の球面と平面 z = −1/2 で考える。この場合の定義式は ( x , y , z ) → ( ξ , η ) = ( x 1 2 − z , y 1 2 − z ) , {\displaystyle (x,y,z)\to (\xi ,\eta )=\left({\frac {x}{{\frac {1}{2}}-z}},{\frac {y}{{\frac {1}{2}}-z}}\right),} ( ξ , η ) → ( x , y , z ) = ( ξ 1 + ξ 2 + η 2 , η 1 + ξ 2 + η 2 , − 1 + ξ 2 + η 2 2 + 2 ξ 2 + 2 η 2 ) {\displaystyle (\xi ,\eta )\to (x,y,z)=\left({\frac {\xi }{1+\xi ^{2}+\eta ^{2}}},{\frac {\eta }{1+\xi ^{2}+\eta ^{2}}},{\frac {-1+\xi ^{2}+\eta ^{2}}{2+2\xi ^{2}+2\eta ^{2}}}\right)} となる。 一般に、球面上の任意の点 Q から E は Q を通る直径に垂直、かつ E は Q を含まない という条件を満たす任意の平面 E の上への立体射影を定義することができる。E がこれら条件を満たす限りにおいて、Q でない任意の点 P に対して P, Q を通る直線と E との交わりは、P の E の上への立体射影として定義されるべき点 P′ ただ一つである。 ここまでで述べた立体射影の定式化は何れも本質的に同じ性質を有する。これらは何れも射影点を除き至る所定義された滑らかな全単射(微分同相)であり、共形(等角)であって面積を保存しない。 より一般に、(n + 1)-次元ユークリッド空間 En+1 内の n-次元超球面 Sn に対して立体射影を考えることができる。Sn の点 Q と En+1 内の超平面 E に対して、点 P ∈ Sn ∖ {Q} の立体射影 P′ は直線 PQ と E との交点とする。球面上の直交座標系 (xi, i = 0, …, n) および平面上の直交座標系 (Xi, i = 1, …, n) に関して、Q = (1, 0, 0, …, 0) からの射影は X i = x i 1 − x 0 ( i = 1 , … , n ) {\displaystyle X_{i}={\frac {x_{i}}{1-x_{0}}}\quad (i=1,\ldots ,n)} で与えられる。s2 = ∑nj=1 Xj2 と置けば、逆写像は x 0 = s 2 − 1 s 2 + 1 , x i = 2 X i s 2 + 1 ( i = 1 , … , n ) {\displaystyle x_{0}={\frac {s^{2}-1}{s^{2}+1}},\quad x_{i}={\frac {2X_{i}}{s^{2}+1}}\quad (i=1,\ldots ,n)} となる。さらにより一般に、S を射影空間 Pn+1 内の(非特異)二次超曲面とする。つまり、S は斉次座標(英語版) xi に関する非特異二次形式 f(x0, …, xn+1) の零点の軌跡である。S 上の任意の点 Q と Q を含まない Pn+1 内の超平面 E を固定すれば、点 P ∈ S ∖ {Q} の立体射影は、直線 QP と E との唯一の交点と定められる。前と同じく、この立体射影は共形かつ「小さい」集合の外側で可逆である。この立体射影は二次超曲面を有理超曲面として与えるものである。この構成は代数幾何学および共形幾何学(英語版)において役割を果たす。
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