出動の選抜と通信の確保
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 19:03 UTC 版)
前述の通り、大規模災害時には市民から多数の出動要請が入電することが予想される。出動可能隊にも限りがあるため、緊急性の高いものを選別する必要があった。2016年(平成28年)の熊本地震の本震時は熊本市消防局に1700件の通報があったが、実際に部隊が出動した件数は、およそ4分の1の450件に留まった。「人命最優先で出動させる」との指令室の判断による。 2011年(平成23年)の東日本大震災時には通信事業者の中継局が津波で被災し、広範囲に渡り電話が使用不能となった。被災地を管轄する消防(岩手・宮城・福島県の消防本部)36本部のうち、およそ25%にあたる9消防本部において通信の途絶が発生した。これは、指令室や非常電源の被災による電源供給の停止も原因である。また、一部消防ではバックアップ回線の利用により通信を確保、119番通報の受信を回復したところもある。 119番通報集中時の緊急度に応じた選抜、119番回線の途絶に備え通信事業者の迂回回線を設置するなど、大規模災害時における方策の取りまとめが急務である。 通報集中による混乱は、地下鉄サリン事件#消防・病院、ホテルニュージャパン火災#消防の対応も参照。
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