通信の途絶
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 07:15 UTC 版)
「マーズ・グローバル・サーベイヤー」の記事における「通信の途絶」の解説
2006年11月2日に、管制センターはサーベイヤーとの交信を突如失ってしまった。 辛うじて3日後に微弱な信号が捉えられたが、それは探査機が「セーフ・モード」に入り地球からの次の指令を待っている状態にあること告げていた。その5ヶ月ほど前から新たに火星周回軌道に投入されていたマーズ・リコネッサンス・オービター (MRO) が11月20日にサーベイヤーの姿勢を調べるために、その写真撮影を試みたが失敗に終わった。その後の復旧の試みもすべて不調に終わり、NASAは2007年1月に公式にミッションを終了した。 NASAは同月、2006年6月に行われた探査機のシステムのパラメータ・アップデートの誤りが、この失敗の原因になったのかもしれないと発表した。このアップデートにおいて、太陽電池を調整する指令の中の2つのメモリ・アドレスに誤りが発見されていた。この誤りがもたらすであろう帰結として、太陽電池板が急停止するまで駆動され、その後セーフ・モードに入ることがあった。パラメータの誤りの別の帰結は、探査機がジンバル・モータの誤りを間違って診断付けたであろうことであった。サーベイヤーの航行ソフトウェアに組み込まれた特殊なアルゴリズムでは、このときこれは太陽電池板が太陽の方向を向いて固まることになることを意味し、さらにこの配置では電池を冷却せねばならない放熱板も太陽を向くことになり、これは電池の加熱と損傷をまねくと考えられた。 2007年4月には、NASA は探査機に最もありえたと思われることは、搭載コンピュータと地上指令が関係する複雑な事象の過程による電池の損傷であるとの報告を発表した。 探査機は火星の1年、地球でのおよそ2年の間観測を続ける予定であったが、NASA は3度のミッションの延長を行い科学的データを収集した。
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