冷却水喪失事故とは? わかりやすく解説

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冷却水喪失事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 16:46 UTC 版)

冷却材喪失事故」の記事における「冷却水喪失事故」の解説

軽水炉では、炉心発生した熱を除去し熱交換器あるいは蒸気タービンへ熱を伝達し電力変換するために軽水用いている。軽水原子炉の冷却材減速材として経済性安全性両面において優れているが、その一方で高温高圧配管系を必要とする。この高温高圧冷却材循環する圧力容器や主冷却管系を圧力バウンダリーないし圧力境界といい、この管系の破損バルブ開放により、高温高圧の状態にある冷却材激し減圧沸騰をしつつ流失する。この結果原子炉内の冷却材の量は減少し蒸気中に燃料集合体露出する制御棒挿入減速材兼ね冷却材失われることにより、核分裂連鎖反応停止に向かうが、核燃料内の核分裂生成物放射性崩壊によって運転時のパーセント程度の熱を発し続ける。核燃料温度上昇続き適切な冷却が行われないと、炉心溶融のような炉心損傷外部への放射性物質の放出にいたる場合があり、これを冷却材喪失事故という。 初期原子炉では出力低かったこともあり、核分裂生成物封じ込めには格納容器のみで事足りる考えられていたが、出力の増大とともに非常用炉心冷却装置emergency core cooling system, ECCS)を設けようになった非常用炉心冷却装置ポンプ窒素ガス加圧されタンクなどで構成されており、LOCA発生による原子炉圧力水位低下対応して自動的に低温注入し始め装置である。しかしながら人為的なミス等によって冷却材注入がすべて停止した場合炉心を除熱できずにスリーマイル島原子力発電所事故のような大事故へと繋がってしまう。 過去設計され原子炉近年のそれに比べると安全機構が脆弱で、緊急時注水には何かしら電源があることを前提とした仕組みなどが採用されていた。しかしながら天災などによって外部電力非常用電力などがすべて喪失してしまった場合、これらは機能しなくなってしまう。そのため近年原子炉では受動的安全性英語版)を備え傾向にあり、非常時にたとえ外部からの制御失って自動原子炉シャットダウンできるよう設計されている。外部・非常電源喪失備え原子炉余熱によってタービン回し冷却材循環を図る機構や、特に最近のものでは冷却熱対流用いたり冷却材注入制御棒挿入重力ガス圧を用いるなどして冷却継続できる機構備えようになった

※この「冷却水喪失事故」の解説は、「冷却材喪失事故」の解説の一部です。
「冷却水喪失事故」を含む「冷却材喪失事故」の記事については、「冷却材喪失事故」の概要を参照ください。

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