再評価の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/21 17:26 UTC 版)
少女小説の再評価の歴史は、少女趣味の地位の向上の歴史に等しく、少女小説作品の人気や売り上げとは直接に関係がない。 1980年前後、ウーマン・リブの日本への流入、女性の社会進出、自立やキャリア志向が注目され、世の中において「女性」という表象の存在が大きくなっていった。それは学問においてはフェミニズム、メディアにおいては雑誌『クロワッサン』『MORE』の創刊などに現れる。 1980年代にはサブカルチャーブームが到来、ブームに乗った雑誌『Olive』が少女趣味の世界観を標榜すると、1980年代後半には、少女趣味なるもの(少女文化)が一つの文化(当時は一サブカルチャー)として確たる市民権を獲得した。この頃から、少女文化を共有する小説、少女趣味的な小説として少女小説という言葉が用いられている。 バブル景気の崩壊した1990年代半ば以降、少女文化は他の文化の例に漏れず分化・多極化したが、その中でも「乙女系」「ガーリィ」と呼ばれる趣味が2000年前後より台頭し、かつての少女小説の花形である吉屋信子、中原淳一を愛好した。また同時期、少女小説出身の小説家が一般文芸で成功する例が増え、現代の少女小説に対するイメージが向上した。これらの事情により、少女向けの雑誌・文庫に発表された作品としての少女小説そのものが、好意的に評価されるようになった。
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