典型的な症状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 18:18 UTC 版)
皮膚症状のみ。特有の光沢を有した白色の鱗屑(りんせつ。皮膚上皮の角質細胞が剥がれ落ちたもので、皮屑(ひせつ)とも呼ばれる)をその表面に伴う、皮膚が肥厚し、やや硬くなった、赤い発疹が出現する。病変部は周りの皮膚より少し盛り上がった状態へ移行し、大きな紅色局面(きょくめん。発疹によって一様な広がりをもった病変のこと)を形成する。これを俗にハム様皮疹と形容されることがある。 外部からの物理的な刺激で症状が引き起こされる(Koebner現象(ケブネル現象))のが特徴で、肘、尾てい骨部からの発症が典型的だが、本人の視界に入りづらい部位であり、痒みを伴わない場合など発症後直ちの受診とならない事がある。膝(視界に入りやすい)、頭皮(しばしば強い痒みを伴い、掻いてしまうと、これが物理刺激になる。)で気づき受診する場合も多いが、眼球以外ならば全身どこにでも発疹が出現し得る。爪の生成部に発症した場合は爪が変形して凹凸や穿孔、荒れになる。これは爪乾癬(つめかんせん)とも呼ばれる。爪に症状が出た場合は、尋常性乾癬にとどまらず、乾癬性関節炎へと進行する可能性が高い。 強い発疹のわりには他の皮膚疾患に比べて痒みが少ない場合もあれば、一方で強い痒みを伴う場合もある。症状の度合や病変部位、使用する薬剤の刺激などによって非常に多様性のある病態を形成する。 他人に伝染することはない。しかし他の伝染性の皮膚病と外観が似ており、一般の人のみならず、皮膚科専門医以外の医師にも見分けが難しい。かといって患者が周囲の人々に対し乾癬だと口頭で説明しても、一般における認知度が低く、感染と乾癬の音が同じ「カンセン」である為、やはり伝染性の病気と誤解されやすい。 この為、乾癬に治療効果がある海水浴(海水と太陽光線の効果)やある種の温泉への入浴を、人目を気にして避けることで、せっかくの治癒・症状改善の機会を逃しているという問題がある。伝染しないことを理解してもらうなどの啓発活動が行われている。
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