典型的な設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 09:06 UTC 版)
水平対向2気筒は静的にも動的にも重量バランスがよくエンジンの振動が小さいうえ、等間隔爆発でトルク変動が少ないために初期のオートバイで広く採用されたが、左右のシリンダーに若干のクランクシャフト方向のずれが生じ、カップリング振動(偶力振動)が発生するため、エンジン単体で完全バランスを達成することは難しいとされる。このずれはV型2気筒ではコンロッドの厚み分だけだが、水平対向2気筒では180°位相のクランクピン2つをつなぐクランクアームの厚み分が加わる。カップリング振動を低減するために、フレデリック・ランチェスターはクランクシャフト同速で逆回転するバランスシャフトを考案した。また、高齋正は、機構が複雑にはなるが、従来のN形のクランクをM形とし、Mの2つの頂点にY形にした一方のコンロッドを取り付け完全にバランスをとった完全水平対向2気筒エンジンを紹介している。 一般的に使用される点火システムは同時点火システム(英語版)である。このシステムは、両方の点火プラグを個々の一巡(すなわち圧縮工程と排気工程の両方)で発火させる両頭コイルを使用する単純なシステムである。排気工程での火花は出力には無関係であるため英語圏では「wasted spark(無駄な火花)system」と呼ばれる。本システムはディストリビューターを持たず、単一の断続器とコイルのみを必要とする。
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