共同体構想における「東アジア」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 03:47 UTC 版)
「東アジア共同体」の記事における「共同体構想における「東アジア」」の解説
詳細は「東アジア」を参照 「東アジア」という地域の概念を考えることは、かなりの困難を伴う。 現在、政治的に範囲の定まった地域は東南アジアであるが、アジアの他の部分は地域認識が非常に曖昧であり、一般に ASEAN10カ国に日中韓の3カ国を加え ASEAN+3 とされることが多い「東アジア」でさえも、たとえば、東アジアサミット (EAS) にインドが参加していることなどからも分かるように、その範囲は時と場合によって異なるというのが実情である。 地理的な観点から言えば「東アジア」とは“アジア大陸の東部に位置する、太平洋に面した地域”を意味し、「極東」とほぼ同義で、日本・朝鮮半島・中国を指していた。1993年世界銀行レポート『東アジアの奇跡』で初めて ASEAN が東アジアに一部として定義された。一方、国際連合による定義では日・朝鮮半島・中国(香港・マカオを含む)にモンゴルを加えた国と地域地理的な東アジアとして公表している。 そもそも第二次世界大戦以降、13カ国によって「東アジア」という地域単位が形成されるには大まかに分けて3つの要素があった。すなわち、冷戦構造における東アジア独自の政治・安全保障システム構築、1970年代の NIEs 台頭から現在に至るまでの東アジア特有の雁行型経済発展の達成、権威主義から民主主義への体制移行による経済発展・ビジネスネットワークの拡大およびそれに伴う相互依存関係の深化である。このように現在の「東アジア」では、政治によって主導される地政学的要素よりも、経済的な観点を有する地理経済学的要素が強まっているという捉え方ができる。 最終的に、地域的な範囲が「地域」として人々の意識に根付くか否かは様々な事情によって決まり、またその過程は構造的要因と並んで様々な偶然で左右されるものである。
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