会所設立の目的とその役割とは? わかりやすく解説

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会所設立の目的とその役割

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/18 06:27 UTC 版)

猿屋町御貸付金会所」の記事における「会所設立の目的とその役割」の解説

棄捐令発布するに際して老中松平定信らが危惧したのが、かつて鎌倉幕府永仁徳政令において、却って金融業者反感買って融資の道を絶たれ御家人さらなる貧窮陥った事態繰り返し避けることであった。これに対して勘定奉行久世広民提示した政策案は、江戸京都・大坂の有力豪商らから資金募って経営状態良い有力な札差会所運営させて経営困難となった札差年利一割で貸し付け、その利子収益事務経費運営手当出資配当として1:1:8で分配するというものであった。この案は後に様々な変更加えられることになるが、会所設立原案久世広民により考えられたものである。 だが、江戸幕府出資するか否か意見まとまらず資金貸付け規則決まったのは、棄捐令発布翌年寛政2年1790年2月のことであった江戸の主要商人10名が勘定所御用達として主たる出資者となり(当初見送られ幕府からの支援も後には行われる浅草御蔵近く屋町に設置され町年寄樽屋与左衛門運営責任者となった。そのため、樽屋御役所(たるやおやくしょ)とも称された。屋町に出来た役所は、間口30間(約55メートル)・奥行25間(約45メートル)の建物で、正しく札差改正会所という。会所近くには御廻米納会所や札差会所建物もあった。 会所では、経済的に困難に陥った札差経営資金融資したが、仲間札差による連帯保証旗本御家人対す貸出実績元本上の抵当設定などその審査厳しかった。さらに、貸し出される資金は必要とする金額40パーセントまでで、15ヶ年賦・年利6パーセント定められた。幕府としては、札差会所旗本御家人の間の貸金仲介業者となってしまうことを望んではおらず会所から札差貸出される資金貸下げはほとんどなかった。 だが、その一方で勘定方会所通じて札差経営状況把握し、また命令伝達機関として用いるなど統制監視機関としても有用な存在であったまた、幕府支援したとはいえ資金中心豪商達であり、幕府支出最低限留めて、豪商達の資金拠出させることで彼らの奢侈抑制し、彼らの蓄財した金を市場流通させることで経済活性化図った札差に対して保護資金統制という「飴と鞭」を与えひいてはそこから融資を受ける旗本御家人経営保障するという、財政的な余裕乏し幕府にとっては好都合なシステムであった。それは、この会所江戸幕府崩壊まで継続し続けたことが裏付けている。

※この「会所設立の目的とその役割」の解説は、「猿屋町御貸付金会所」の解説の一部です。
「会所設立の目的とその役割」を含む「猿屋町御貸付金会所」の記事については、「猿屋町御貸付金会所」の概要を参照ください。

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