他の神話内の事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 00:57 UTC 版)
旧約聖書には、高齢あるいは不妊の女が神の恩恵により子を宿す例がたびたび見られるが(創世記17:15,21:1-2,30:22-23,士師記13:2-5など)、処女懐胎の例は無い。また『マタイによる福音書』に引用される『イザヤ書』(7:14) は処女懐胎ではない。 イスラム教のクルアーンでは、イエスの処女懐胎を認めている。これは、イスラム教成立時に中東に広まっていたキリスト教ネストリウス派の影響だと推測される。 エジプト神話、ギリシャ神話、ローマ神話、日本神話の神々は、岩から生まれる、死体の部位から分かれて生まれる、太陽光を受けて生まれる、男神が子を産む等、その他交接に由らない奇抜な方法で子作りを行っている。エジプト神話のホルスはオシリスとイシスの間の子であるが、女神イシスが処女で産んだとする神話もある。イシスがホルスに授乳する様子などが、聖母マリア信仰の元になったと推察する人もいる。 アイヌの伝承に出る、はるか彼方の島メノコ・コタンの住民は全員女性で、東の風を受けて孕むという。 中国の伝承には、入浴して孕む、井戸を見て孕む、ある川の水を飲んで孕む、南風を受けて孕むというものがある。 インド神話には、処女マイヤは夫で大工のスパスティカによらず、太陽神サビトリにより懐妊し、アグニ神を産んだ。下記の釈迦誕生譚に影響を与えたと見られる。 仏教の説話には摩耶夫人は六本の牙を持つ白い象が胎内に入る夢を見て釈迦を懐妊した、とされる。また右脇から釈迦が生まれたとする話がある(これはクシャトリア身分女性の出産表現である[要出典]という)。 聖徳太子の母、間人皇女は救世観音が胎内に入り、皇子を身籠もったとの伝説がある。厩の前で出産したとのことで、キリスト教の影響を想像する人[要出典][誰?]もいる。が、釈迦の誕生譚からの影響が大きい[要出典]、とする人もいる。釈迦の場合も摩耶夫人が旅行途中の花園で出産している。 フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』ではマリヤッタなる娘が処女懐胎し、生まれた子がワイナミョイネンを海の果てに追いやることになっており、これは明らかにキリストの伝承が流入したものと考えられている。
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