他のメインフレームのOS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 22:16 UTC 版)
「オペレーティングシステムの歴史」の記事における「他のメインフレームのOS」の解説
コントロール・データ・コーポレーション (CDC) は1960年代にバッチ処理用の SCOPE オペレーティングシステムを開発し、その後タイムシェアリング用の MACE オペレーティングシステムを開発。MACEは後の KRONOS のベースとなった。1970年代にはミネソタ大学と共同でKRONOSと後継のNOSオペレーティングシステムを開発した。NOSはバッチ処理とタイムシェアリングを同時にサポートしていた。多くの商用タイムシェアリングシステムと同様、そのインタフェースは黎明期のタイムシェアリングシステムであるDTSSのインタフェースを拡張したものだった。 1970年代後半、CDCはイリノイ大学と共同でプラズマディスプレイと長距離タイムシェアリング・ネットワークを採用した PLATO system を開発した。PLATOは当時としては極めて革新的で、TUTORというプログラミング言語の共有メモリモデルによってリアルタイム・チャットやマルチユーザー型のグラフィカルなゲームといったアプリケーションが可能となった。 最初期から商用コンピュータを製造していたUNIVACは、EXECという一連のOSを開発した。初期の他のメインフレーム用OSと同様、バッチ処理指向のOSで、磁気ドラムメモリ、磁気ディスク、カードリーダー、ラインプリンターなどを管理する。1970年代になるとUNIVACは大規模タイムシェアリング用に Real-Time Basic (RTB) システムを開発した。これもDTSSとそのダートマスBASICシステムに倣ったものである。 バロースが1961年に発表したB5000では、MCP (Master Control Program) というOSを採用した。B5000は高級言語をサポートするよう設計されたスタックマシンで、OSの中核部でさえ機械語やアセンブリ言語を使わずに書かれている。MCPは全体が高級言語で書かれた世界初のOSで、ALGOLの方言であるESPOLを使っている。ただし、ESPOLはB5000の命令セットに対応した特殊な文を備えていた。MCPには他にも先進的な特徴があり、商用OSとして仮想記憶をいち早く実装している。B5000向けのMCPを書き直したOSが今もユニシスの ClearPath/MCP シリーズで使われている。 GEはGE-600シリーズ向けに GECOS (General Electric Comprehensive Operating Supervisor) というOSを開発した。GEのコンピュータ部門をハネウェルが獲得すると、GCOS (General Comprehensive Operating System) と改名した。 マサチューセッツ工科大学の Project MAC は、GEおよびベル研究所と共同で Multics を開発した。Multics ではリングプロテクションなどの新機能が導入された。 ディジタル・イクイップメント・コーポレーション (DEC) は様々なコンピュータシリーズ向けに多数のOSを開発した。例えば、36ビットのPDP-10向けのTOPS-10とTOPS-20というタイムシェアリングシステムがある。Unixが普及する以前、TOPS-10は大学でよく使われており、初期のARPANETでもよく使われていた。 1960年代後半から1970年代後半にかけてハードウェアの性能が向上すると、複数のシステムで類似のソフトウェアを動作させたり、異機種間でソフトウェアを移植するということが多くなった。初期のシステムではマイクロプログラミングをそのために利用し、基盤となっているアーキテクチャであってもソフトウェアからは同じに見えるようにすることがあった。例えば、IBMのSystem/360では、360/40以降の機種はマイクロプログラム実装となっている(360/165と360/168を除く)。しかし間もなく、他の手段でアプリケーションの互換性を確保する方式が主流となっていった。
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