DTSS
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DTSS(Dartmouth Time-Sharing System、ダートマス・タイムシェアリングシステム)は、世界で初めて成功裏に実装された大規模タイムシェアリングシステムである。Bolt, Beranek and Newman でPDP-1上で構築されたタイムシェアリングシステムに影響を受けている。1962年、ダートマス大学のジョン・ケメニーとトーマス・カーツは新たなタイムシェアリングシステム開発の資金援助をNSFに申請した(実際に出資されたのは1964年)[1]。1963年、大学の全メンバーに計算設備への容易なアクセスを提供する目的で[2]、ケメニーとカーツの指揮下で学生のチーム[3]によって実装が開始された。1964年5月1日午前4時、システムが運用開始された。なお、このシステムは1999年末まで運用された[4][5]。DTSSは当初、GE 235 コンピュータ上に実装され、端末プロセッサ GE Datanet 30 が235を制御する形態だった。後に GE 635 上に再実装されているが[1]、端末制御には相変わらず Datanet 30 を使用していた。635版のDTSSは1970年代に300台弱の端末によるタイムシェアリングを実現しており、これは当時としては非常に大規模である。
- ^ a b http://www.dartmouth.edu/comp/about/archive/history/timeline/1960s.html | Dartmouth Computing in the 1960s
- ^ http://www.bitsavers.org/pdf/dartmouth/DTSS_descr_Oct64.pdf | DTSS user manual October 1964
- ^ Kemeny's Kids
- ^ http://dtss.dartmouth.edu/timeline.php |Dartmouth Time-Sharing System (DTSS) timeline.
- ^ http://www.bitsavers.org/pdf/dartmouth/The_Dartmouth_Time-Sharing_System_1980.pdf | Description of DTSS c. 1977
- ^ http://dtss.dartmouth.edu/scans/ Scans of original documentation and software
- ^ DTSS reborn site
- 1 DTSSとは
- 2 DTSSの概要
DTSS
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「GE-200シリーズ」の記事における「DTSS」の解説
1960年代初期、GEはダートマス大学と共にタイムシェアリングシステムの開発に取り組み、それがDTSSとなった。システムはGEのもっと小型のマシンDatanet-30に多数のテレタイプ端末を接続して構築された。Datanet-30は工場のプロセス制御に使われる初期の小型コンピュータである。 DTSSは奇妙な構成のシステムであった。DTSS自体はGE-235上では動作せず、Datanet-30 上で動作した。Datanet-30 は接続された端末群から同時にコマンドを受け取り、要求されたプログラムをGE-235上で実行させる。GE-235 には手を加えていないので、そもそもバッチ処理でない処理をしているという認識がなく、マルチタスクは外部で実現されていた。これはマルチタスクの発展上の興味深い段階を示していると言えよう。 1965年、GE は Datanet-30 と GE-235 をまとめ、GE-265に仕立て上げた。GE-265 は世界初のタイムシェアリングマシンというだけでなく、BASIC言語(ダートマスBASIC)が最初に開発されたマシンでもあった。
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