今日の受容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 03:30 UTC 版)
「カロリーネ・フォン・ギュンダーローデ」の記事における「今日の受容」の解説
既に長らく、19世紀前半の女性たちの生涯は大きな注目を集めている。インゲボルク・ドレーヴィッツの『ベッティーナ・フォン・アルニム』やカローラ・シュターンスによるラーエル・ファルンハーゲンやドロテーア・シュレーゲルの伝記のような書物は、女性共同体のみによって消費されたわけではない。ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガーは『ロマン派女性への鎮魂歌』という標題の下、アウグステ・ブスマンとクレメンス・ブレンターノの間の往復書簡を編纂した。この往復書簡は"Die Andere Bibliothek"(他者文庫)の中でも最も成功したものの一つとなり、1998年にドグマール・クネップフェルによって映画化されている。また、ジークリート・ダムの「探求」小説である『クリスティアーネとゲーテ』もここで挙げることができる。 26歳で自分自身の手で死んだカロリーネ・フォン・ギュンダーローデは、ドイツ・ロマン派の多彩な人物の中の一人である。カロリーネの恋愛と自由への衝動の間の分裂は、1800年ごろの市民エリートの中で女性が置かれた状況を反映しており、後期女性解放運動へ光を投げかけている。 カロリーネはラディカルさを以て自らの感情を生き抜こうとしたが、このラディカルさは同時代人をも既に魅了していたのであった。死後カロリーネの詩作品や書簡の選集は常に現れ続けた。1970年代、カロリーネは女性運動が自らを投影する人物になった。「ルフターハント集」の中でアンソロジー『ある夢の影』が出されたとき、クリスタ・ヴォルフはこの本にエッセイを寄せ、さらにカロリーネ・フォン・ギュンダーローデを小説『どこにも居場所はない(Kein Ort Nirgends)』の主人公とした。尤も、この小説ではクリスタ・ヴォルフについては多くのことを知ることができるものの、カロリーネについては殆ど知りえない。既に、同様にベッティーナ・フォン・アルニムがこの詩人を自身の世界観の媒介とした例がある。 ヴァルター・モルゲンターラーの編纂による歴史的・批判的全集に加えて、2006年2月現在、ダグマール・フォン・ゲルスドルフによって最終的に詳細なギュンダーローデの伝記が著されており、そのラディカルさに於いてロマン派の代表的な女性像となったこの重要な詩人の生涯について書かれている。カロリーネ・フォン・ギュンダーローデは生涯と著作で、1800年前後の一人の女性の天分と孤独と愛と死を具現しており、自らの女性としての自由への切望ゆえに、自由主義運動の先駆者と考えられ得る人物である。「おお、何たる困難な呪いであることか、翼を得こそすれ動し得ないとは!」
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