人気の高まりと社会的責任
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/10 02:16 UTC 版)
「シャクティマーン」の記事における「人気の高まりと社会的責任」の解説
「シャクティマーン」はドゥールダルシャン・チャンネルの子供向けテレビシリーズのなかで最も人気があり、最も長く続いた番組となった:4。「シャクティマーン」がドゥールダルシャンから放映され始めたとき、「シャクティマーン」を見た子どもたちがシャクティマーンに助けてもらいたいがために自分で自分に火をつけたとか、建物から飛び降りたとかいう報道がなされ、「社会問題になった」:10。刺激の強いシーンに対して議論が巻き起こり、ドゥールダルシャンは危険なスタントを行うシーンを減らして放映した。 主演のムケシュ・カンナは子どもたちに責任ある態度を示そうと考え、放映時間の一部を使って、テレビで見せているスタントは本物ではないと解説し、良い子は真似しちゃいけないぞと諭した。もっとも、後年になってカンナ自身が打ち明けたところによると、苦情のほとんどはフェイクで、人気を作り出すためにメディアででっち上げたものだったという。ともあれ、真実と正義の守護者シャクティマーンは、番組の主たる視聴者、子どもたちのロールモデルであろうとした。彼は番組の中で視聴者に向けて、衛生に気を配ること、国を愛すること、教育を受けるべきことなどをレクチャーした:12。番組の人気が絶頂にあった2001年にグジャラート州で大規模な地震が起きた。中央政府のリクエストに応じてカンナは、シャクティマーンに扮して被害エリアを慰問して回った:11。そして、心に傷を負った子どもたちに慰めを与えるとともに、モラルを保つことの重要性を説いた:11。 カンナはたくさんの手紙を子どもたちから受け取り、外務大臣や首相から手紙を受け取ったことすらあったとインタビューの中で回想した。当時の首相アタル・ビハーリー・ヴァージペーイーの手紙には、カンナがシャクティマーンの役を選び、それを続けていることで、カンナは社会に対して非常に良いことをしていると書いてあったという。シャクティマーンが子供たちに良い影響を与えているとして、カンナは『ウォール・ストリート・ジャーナル』の表紙を飾った。 インドにはスーパーマン、バットマン、スパイダーマンなどはすでに紹介されていたが、これら文化の消費はアッパーミドルクラス(上位中流階級)以上に限られていたところ、シャクティマーンの登場によりスーパーヒーローという文化を消費する階層が一気に広がった。
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