人事官・人事院会議
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 18:25 UTC 版)
人事院総裁(人事官) 人事官(人事院総裁のほか2名) 人事院は人事官3人をもって組織される(詳細は人事官を参照)。「人事官は、人格が高潔で、民主的な統治組織と成績本位の原則による能率的な事務の処理に理解があり、且つ、人事行政に関し識見を有する年齢35年以上の者の中から、両議院の同意を経て、内閣が、これを任命する」こととされている(国公法第5条)。また、その任免は天皇が認証する。人事官のうち1人は人事院総裁として任命され、院務を総理し、人事院を代表する。 人事官の任命条件には「人事官の任命については、その中の2人が、同一政党に属し、又は同一の大学学部を卒業した者となることとなつてはならない」(第5条第5項)という規定も置かれている。このように出身大学学部の重複が禁止された官職は他になく、国家公務員法の制定・一次改正を主導したGHQのブレイン・フーヴァー(Blaine Hoover)公務員課長が東大法科出身の官僚による学閥支配を防ぐことを意図して設けた規定と言われる。第2代目(1953年)から2009年まで、人事官は事務系官僚が1人、技術系が1人、全国紙やNHKなどのマスコミ系が1人という出身構成が慣例であった。人事官の任期は1期4年、最長で3期まで再任できる。また国公法で定める場合を除き、その意に反して罷免することはできず、強くその身分が保障されている。そのため、内閣が交代しても人事官の人事は直接影響を受けない。 人事院会議は少なくとも週1回は開くことが常例とされ、その議決を要する事項には、人事院規則の制定改廃、人事院勧告、公平審査の判定などが国家公務員法第12条第6項に列挙されている。なお、事務総長は会議に幹事として出席し、議事録を作成する。人事院の下には事務総局、国家公務員倫理審査会、法律顧問、人事院総裁秘書官を置く。事務総長は総裁の職務執行の補助者となり、その一般的監督の下に、人事院の事務上及び技術上のすべての活動を指揮監督する。
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