二重被爆者を題材にした番組
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「英国放送協会」の記事における「二重被爆者を題材にした番組」の解説
ウィキニュースに関連記事があります。イギリス・BBCのテレビ番組が、二重被爆者を「世界一運が悪い男」と紹介 - 在英日本大使館が抗議 毎週金曜日に放映されている、お笑いクイズ番組「QI」の2010年12月17日の放映で、広島市と長崎市に投下された原子爆弾で、二重に被爆した被爆者である山口彊(2010年1月に死去)を「世界一運が悪い男」と紹介した。 スタジオ内には、山口の大きな顔写真が原子爆弾投下時に発生した、きのこ雲の二つの写真に挟まれた状態で掲示され、司会者が二重被爆の経緯について語った後に、ゲストのタレントが「93歳まで長生きしたなら、それほど不運じゃない」「原爆が落ちたその日に列車が走っているなんて、イギリスじゃ考えられない」(イギリスの鉄道事情に触れた後に)「(放射線に被爆しても)サンドイッチは大丈夫でした」などと、笑いながら発言をした。 この放送内容について、在英国日本国大使館は2011年1月7日に「原爆投下の問題を、コメディー番組で取り上げるのは極めて不適切で、日本人の国民感情を無視している」との内容の抗議書簡を、番組制作会社とBBCに送付した。 番組制作会社からは17日になって「配慮に欠けていた」などとする返答があり、1月21日にロンドンの日本大使館に、番組プロデューサーから謝罪文が届けられている。謝罪文は17日付で、「我々が(日本人視聴者を)不快にさせてしまい、大変残念だ」「日本人の潜在的な敏感さを軽視したのは明らか。お気楽な番組で扱うには、不適切と日本人が見なすのは想像に難くない」としている。また、BBCの広報担当者も、この件について釈明をした声明文を発表した。 山口の長女は、この件について不快感を示し「家族内で『運が悪かった』と話した事はある。しかし核保有国のイギリスで、このように取り上げるのは話が別。核削減への真摯さが足りない風潮から、こういう発言が出てくるのではないか」「世界中が核廃絶で努力している中、父の体験を軽視することは遺憾で許せない」と話した。 駐英特命全権大使から報告を受けた外務大臣前原誠司も、1月25日に行われた記者会見で番組を非難し、「おわびをするなら、テレビで笑いながら話していたコメンテーターは、原爆被害の悲惨さをもう一度認識し、二度と起こさないための努力をしていただきたい」と述べた。 問題となった同番組のシーンは、動画共有サイト「YouTube」にもアップロードされ、この件について日本で報じられると同時に、コメント欄が「炎上」する事態となったが、週明けの1月24日になって動画が削除されている。 英国在住のジャーナリスト小林恭子によると、このジョークは、様々な理由を付けて運休しようとする「英国の鉄道事業者への皮肉」であるという。
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