主題と構図とは? わかりやすく解説

主題と構図

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 05:07 UTC 版)

セザンヌ礼賛」の記事における「主題と構図」の解説

この絵の中心には、イーゼルかけられポール・セザンヌ静物画果物入れグラス、りんご』が画中画として描かれており、これを取り囲む画家批評家たちが、セザンヌ礼賛していることが表現されている。場所は、ラフィット通り画商アンブロワーズ・ヴォラールの店である。このセザンヌの絵を所有していたのは、1895年フランス去って南太平洋赴いたポール・ゴーギャンであり、ゴーギャン自身はこの絵に描かれていないものの、その存在示唆されている。ゴーギャンは、この作品のことを「類まれな宝石であり、私の秘蔵品だ」と評していた。背景にはゴーギャンピエール=オーギュスト・ルノワールの絵も見える。 描かれた人物には、ゴーギャン私淑していた画家たちグループナビ派メンバーが多い。 一番左に立っているのは、象徴主義巨匠オディロン・ルドンであり、中央ルドン話しかけているのは、ナビ派創始者ポール・セリュジエ(またはポール・ゴーギャン)である。後方には、左から、エドゥアール・ヴュイヤールシルクハットかぶった批評家アンドレ・メレリオ、イーゼル背後にいるアンブロワーズ・ヴォラール作者モーリス・ドニ自身ポール・ランソンケル=グザヴィエ・ルーセルパイプくわえたピエール・ボナール、そして一番右にはモーリス・ドニの妻マルタ・ドニが描かれている。 ルドンは、ナビ派画家たちから尊敬集めていた年長人物であるため、残り人物とは少し離して描かれている。セリュジエの手つきからすると、彼は、ルドンに、ナビ派メンバーセザンヌ賞賛する理由説明しているのかもしれないルドンは、ギュスターヴ・モローと同じ象徴主義画家であったが、次第に、セザンヌと結びつけて捉えられることが多くなっていた。ルドンがこの絵に描かれていることは驚くには値しないドニは、ルドンファンであり、「ルドン教えは、魂のあり方反映しないもの、感情深み表現しないもの、内なるヴィジョン伝えないものを描くことには力を入れないということだ。」と書いている。 絵の大きさは、高さ180センチメートル、幅240センチメートルで、等身大に近い。それにより視覚的なインパクト強められている。人物の立ち姿イーゼルにより縦方向要素が強い構図であり、これに明る色遣い長方形静物画対比されている。画面混み合っており、ヴォラールは、画面上方突き抜けたイーゼル掴んでいる上、人物たちでキャンバス埋め尽くされ余白ほとんどないドニ夫人ボナール肩越し覗きこむ位置押し込まれている。縦方向の線に対し人物たちの頭は横方向リズム作り出している。人々は黒いスーツ着ているが、これはアバンギャルド知られるナビ派好みとは裏腹である。

※この「主題と構図」の解説は、「セザンヌ礼賛」の解説の一部です。
「主題と構図」を含む「セザンヌ礼賛」の記事については、「セザンヌ礼賛」の概要を参照ください。

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