主題と文脈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 09:32 UTC 版)
「ヴィーナスとアドニス (ヴェロネーゼ、マドリード)」の記事における「主題と文脈」の解説
絵の主題は、ローマの詩人オウィディウスによる物語詩である変身物語から取られている。ヴィーナスの膝の上で眠っている狩猟者のアドニスを描いている。ヴィーナスの前には、サイトハウンド犬を持った息子のキューピッドがいる。ヴィーナスがアドニスが狩りの間に死ぬだろうと予測したので、キューピッドは犬の狩りの欲求を失わせようとしているところを描かれている。背景には鮮やかな青い空と鮮やかな緑の風景がある。本作はヴェロネーゼがローマで一定期間過ごした後に制作された。画家は、ガチョウとともにいる少年のヘレニズム期の彫刻に基づいてキューピッドを描いているが、アドニスのほうは、サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂のアーチ・バジリカにあるローマ時代の石棺上のエンディミオンのイラストを拠り所にしているのかもしれない。 同じ時期にヴェロネーゼによって製作された、この絵の対作品は『ケパロスとプロクリス』である。『変身物語』からの別の悲劇的なカップルを描いており、現在ストラスブール美術館にある。
※この「主題と文脈」の解説は、「ヴィーナスとアドニス (ヴェロネーゼ、マドリード)」の解説の一部です。
「主題と文脈」を含む「ヴィーナスとアドニス (ヴェロネーゼ、マドリード)」の記事については、「ヴィーナスとアドニス (ヴェロネーゼ、マドリード)」の概要を参照ください。
- 主題と文脈のページへのリンク