丸紅傘下へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 15:46 UTC 版)
1996年頃、創業者である鈴木慶によればソフマップの経営危機についての根拠のない噂が流れるようになったという。当初は「根拠のない噂はやがて消える」と問題視していなかったが、年末の在庫増を一部銀行から「噂の根拠」と受け取られてしまい、融資の再審査が相次ぐ様になった。融資の遅れから資金ショートに陥りかねない状態が続き、やがて取引先からも条件の見直しを求める企業が現れ始めた。風評被害が実際の経営危機を呼び起こす事態にメーンバンクとの交渉や取引先企業との信頼回復など状況改善へ乗り出し、更に外部資本の導入なども検討された。 1997年夏、「ソフマップは光通信からの外部資本導入に失敗したため、9月16日分の決済の目処が立たず、倒産する見込みである」という内容のパソコン通信の書き込みに端を発するチェーンメールが各所に出回り、この情報を信じた顧客が溜め込んでいた『ルピー(ソフマップが付与するポイント)』を取り付ける騒ぎが発生した。この流言による騒動は、メールで指摘された9月16日にソフマップが倒産しなかった事や、チェーンメールの内容に基本的な事実の誤り(ソフマップ本社の位置や光通信から導入しようとした資本金額など)がある事が指摘され、事実無根の内容であると公表された事から収束に向かった。とはいえ、外部資本の構想が結果として新たな風評被害に繋がってしまい、先述のルピーの一斉取り付けと併せて、結果として同社の経営に多大なダメージを与えることとなった。 最終的に総合商社の丸紅による資本参加を取り付けると一転して経営危機についての噂は終息し、鈴木は「大企業の暖簾の力」を痛感したという。以後は業績の改善を目指して丸紅関連会社との提携を進める一方、無個性化に繋がっていた初心者向けの展示販売を切り上げ、再びコアユーザーに向けた店づくりへの回帰を目指した。
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