中国の権力構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 04:25 UTC 版)
「中華人民共和国の政治」の記事における「中国の権力構造」の解説
「中華人民共和国の最高指導者一覧」および「en:Political position ranking of the People's Republic of China」も参照 中国の権力機構は、中国共産党、国家機関、行政機関、中国人民解放軍の4つに分かれている。これら権力の関係は、規則と現実が必ずしも一致していないため、理解には注意が必要である。 中国共産党が国家を優越するという政治構造から、中国共産党の最高指導者が中国の最高権力者となる。ただし、中国共産党の最高職である中央委員会総書記(1982年以前は中央委員会主席)が必ずしも党の最高指導者となるとは限らない。中国共産党の党軍であり、事実上の国軍でもある中国人民解放軍の統帥機関である中国共産党中央軍事委員会主席を務める者が中国共産党の最高指導者となる。 党中央軍事委員会主席の歴代は、以下である(氏名の右の年は最高指導者としての在任期間)。 毛沢東(1949年 - 1976年) 華国鋒(1976年 - 1978年) 鄧小平(1978年 - 1989年) 江沢民(1989年 - 2002年) 胡錦濤(2002年 - 2012年) 習近平(2012年 - 現職) 上記の6名が中国共産党の歴代の最高指導者、すなわち中国の最高指導者とされる。ただし彼らが実権を握っていた期間は多少前後する(中華人民共和国の最高指導者一覧ならびに中華人民共和国の歴史#実権を握る歴代の最高実力者を参照)。 なお、1982年以降、中国共産党の建前上の最高権力者は党総書記とされている。中国の国家主席は儀礼的な国家元首であり、中国の事実上の最高指導者は共産党中央軍事委員会主席で、政府の統括は国務院総理が行うが。1993年以降は、就任時期に多少のずれはあるものの、党総書記が党中央軍事委員会主席と国家機関トップの国家主席を兼務しており、不自然さは解消されている。 党総書記は党中央政治局常務委員会が選び、国家主席は全国人民代表大会が選ぶことになっているが、実際には党総書記は前任者からの継承、国家主席は中国共産党の指名を全国人民代表大会が追認することで決定されている(ただし党主席兼中央軍事委員会主席の華国鋒は次代の鄧小平に失脚させられた)。党中央政治局常務委員会、全国人民代表大会それぞれのメンバーは、その下部組織から選挙され、その何段階か下のメンバーを党員あるいは国民が選ぶという形を取っている。 行政機関のトップは国務院総理(日本では首相と訳される)であり、1980年以降は党主席・総書記とは別の人間が務めている。 国家のナンバー2以降の序列は明確でないが、2013年現在では、ナンバー2は国務院総理、ナンバー3は全国人民代表大会常務委員長(国会議長に相当)と見られることが多い。次期党総書記という意味では、中央軍事委員会副主席 も重要である。
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