世界遺産における持続可能な開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 00:46 UTC 版)
「持続可能な開発」の記事における「世界遺産における持続可能な開発」の解説
ユネスコ世界遺産は知名度が高いため、そこでの持続可能な開発の実践は関心を集めやすい。 もともと世界遺産条約の条文に持続可能な開発・発展に関する文言の記載はないが、「遺産の保護と継承」という理念は乱開発から文化・自然を守る、持続可能な開発を呼び掛けるものと解釈できる。そこで2005年に「世界遺産条約履行のための作業指針」に、「自然遺産及び文化遺産を保護、保全することは、持続可能な開発に大いに資するものである。」との一文が加筆された。 また、1994年に世界遺産へ導入された文化的景観は、「人間と自然の共同作業」をキーワードに、自然の恵み(環境財)を享受し人間の営みを継続してきた「持続可能な利用」の具象例(主として景観)を採り入れたものである。この考え方は日本でも文化財保護法への重要文化的景観採用に影響したが、里山として古来より活用してきたものに近く、農業遺産での顕彰などへも波及している。 2010年の「世界遺産条約:保全と持続可能な開発に関するパラチ(英語版)会議」と2012年の「世界遺産と持続可能な開発に関するオウロ・プレット会議」で世界遺産における持続可能な開発の方向性を確認し、2012年(平成24年)に京都市で開催した「世界遺産条約採択40周年記念会合」および直前に富山県で開催した「遺産と持続可能な発展-理念から実践へ-」を通し、世界遺産における持続可能な開発への取り組みとして、地域社会や先住民居住区といったコミュニティが参加する開発計画や監視の重要性を説き、前項での持続可能な開発の担い手への期待を寄せている。 この他、エコミュージアムやリビングヘリテージなどが、サステイナブルツーリズムとして持続可能な利用の好例として、世界遺産観光において奨励されている。 詳細は「持続可能な開発のための文化」を参照
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