不正・隠蔽行為
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:45 UTC 版)
2009年の所得隠し発覚 2009年7月2日、東芝と子会社の東芝メディカルシステムズによる11億円の所得隠しが、国税庁東京国税局の税務調査で発覚し、追徴課税を約4億5000万円支払うこととなった。 2011年の所得隠し発覚 2011年12月、同社子会社の東芝コンシューママーケティングで、国税庁東京国税局の税務調査により、2010年3月期に於いて約9億円の所得隠しが発覚し、東芝は同国税局に対し修正申告に応じた。 粉飾決算事件 2015年7月20日、第三者委員会の報告書により、経営幹部の関与による2009年3月期から2014年4 - 12月期で、計1518億円の利益を水増しする粉飾決算を行っていたことが報告された。 この問題により、7月21日に田中久雄が社長を辞任するほか、副会長で前社長の佐々木則夫、相談役で前々社長の西田厚聰ら7人が取締役を辞任することが発表されるなど、歴代3社長含む経営陣が7年間に渡り、この事件を主導してきたとして東芝株主からも株主代表訴訟で訴えられている。 この不正会計処理の対象は、コモディティ化で利益の出にくくなったパーソナルコンピュータ事業、リーマンショックで落ち込んだ半導体事業、2011年3月の福島第一原子力発電所事故の影響で、新規受注が落ち込み2006年に54億ドルで買収したウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニーの原子力発電所事業が発覚している。これらの事業の不採算によって財務体質が悪化し、赤字をごまかすために粉飾決算を行った。 この粉飾決算の発覚を引き金に、2016年の第1四半期決算において経営危機に陥り、1万4千人規模の人員削減と注力部門への異動、不採算事業からの撤退といったリストラを行った。不採算事業である家電、パソコン、LED照明やCMOSイメージセンサからは撤退し、発電機などの「エネルギー事業」、フラッシュメモリやSSDなどの「ストレージ事業」、およびエレベータなどの「社会インフラ事業」に注力する方針であると報道されている。経営再建の切り札として、医療機器子会社の東芝メディカルシステムズがキヤノンに売却され、債務超過は回避された。 しかし、年度内に売却資金を得るために急遽利用した売却スキームが「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」の『脱法行為』ではないかと問題視され、キヤノンと落札を争っていた富士フイルムホールディングスが「グレーな手法」と批難したが、売却は公正取引委員会に承認された。また、家電部門は中華人民共和国の美的集団に売却され、パソコン部門は切り離しVAIOに統合する協議が進められていた(2016年4月に解消)。 2016年3月期決算では、事業会社で最大となる7191億円の連結営業赤字となり、4832億円の最終(当期)赤字となった。2017年1月、証券取引等監視委員会より、前述の3社長により2014年3月期までの3年間で総額400億円規模の金融商品取引法違反があるという調査結果が発表された。2017年と3月15日から、東京証券取引所と名古屋証券取引所より『監理銘柄』に指定された。
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