不正軽油の品質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 20:06 UTC 版)
不正軽油の品質管理はずさんである場合が多い。 水や泥や砂などが混入していることもまれではない。 不正軽油の製造に従事するものが化学・薬品に関する専門知識を有することは少なく、いわば素人が製造手引きに記載された範囲で硫酸や苛性ソーダなどの酸やアルカリ性薬品を混合し、機械を作動させ製造している。これら薬品の品質や保管状況は非常に劣悪であることが多く、また機械の操作誤りによって不正軽油内に残留する酸性薬品、アルカリ性薬品の濃度が正規の軽油に比較して高い場合がある。 正規の軽油に対して行われるべき各種の品質検査が行われることも期待できない。多くの場合は製造者の視認での判断にもとづいて出荷されるようである。 従って不正軽油の使用によって金属製のエンジンに損傷が生じ、不正軽油の使用で得られる経済的利益を、修理などによる経済的損失が上回ることもある。 例えば、正規の軽油を使用する前提で設計されているディーゼルエンジンにとって、不正軽油は硫黄分・炭素分・粘性度・セタン価・水分・酸・アルカリなど設計上想定外の性状・成分から成る燃料であるため、とりわけ燃料ポンプ、燃料フィルターの不調を招きやすい。
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