不正転売ルート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 08:13 UTC 版)
「事故米不正転売事件」の記事における「不正転売ルート」の解説
三笠フーズルート 大阪市の米穀加工販売業者の「三笠フーズ株式会社」が福岡県朝倉郡筑前町にある同社の九州工場において、直接または子会社の辰之巳(たつのみ)を介し、事故米穀を不正に転売していた。それらの米は、その後も転売を繰り返され、焼酎の米麹や和菓子材料の米粉などに使われたことが、追跡調査により明らかとなっている。2008年9月11日に、農林水産省が同社と子会社の辰之巳を、不正競争防止法違反(誤認表示)の疑いで熊本県警に告発した。 浅井ルート 愛知県名古屋市瑞穂区の接着剤製造業者「株式会社浅井」がノノガキ穀販を介するなどして、接着剤の原料として購入した事故米穀を、食用米として不正に転売していた。2008年10月9日に、農林水産省は、同社が基準値以上の残留農薬を含む米を販売した点について、食品衛生法違反(規格基準外食品の販売)の疑いで、同社を愛知県警に告発した。 なお、浅井はこの不正転売の発覚以降、資金繰りが悪化し、翌10月に入って2度目の不渡り手形を出して、事実上倒産したことが、10月8日に東京商工リサーチによって明らかにされた。翌2009年4月1日には、名古屋地方裁判所で、破産手続の開始決定を受けている。 太田産業ルート 愛知県宝飯郡小坂井町(現・豊川市)の肥料製造業者「太田産業株式会社」が事故米穀を使用した肥料を販売していた。届出のあった原料以外を使用していたとして、肥料取締法違反(虚偽の登録・届け出)の疑いで、愛知県の調査を受けている。 島田化学工業ルート 新潟県長岡市のでんぷん製造販売業者「島田化学工業株式会社」が事故米を原料に混入してでんぷんを製造・販売していた。玉子製品の原料として、全国21都府県の学校・幼稚園等に給食として提供され、合計327万8800食以上になっていたことが明らかとなっている。島田化学工業は、国内唯一の米でんぷん製造会社で、国内シェアはほぼ100%であったため、かなりの流通量があることは推測されるが、事故米を特定する記録がないため、転売先は不明のままである。 2008年10月17日に、島田化学工業は廃業することを発表。同社の生産施設及び従業員は、同社の取引先である三和澱粉工業が11月1日に新設する、子会社の上越スターチが引き継いだ。
※この「不正転売ルート」の解説は、「事故米不正転売事件」の解説の一部です。
「不正転売ルート」を含む「事故米不正転売事件」の記事については、「事故米不正転売事件」の概要を参照ください。
- 不正転売ルートのページへのリンク