不正転売発覚の経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 08:13 UTC 版)
「事故米不正転売事件」の記事における「不正転売発覚の経緯」の解説
農林水産省は、2008年8月28日に、農薬のメタミドホスとアセタミプリドが一日摂取許容量以上に残留しているコメや、発癌性のあるカビが産生した毒のアフラトキシンB1を含んだ米であるいわゆる事故米穀(ベトナム産うるち米、中国産もち米など)を、工業用(非食用)として、三笠フーズ株式会社に売却した。 近畿農政局と九州農政局が、この事故米穀の処理状況について立ち入り調査等を行なったところ、三笠フーズは、落札した事故米穀を非食用として仕入れておきながら、その事実を隠して食用として転売したことが確認された。2008年9月5日に、農林水産省は、同社に対し回収を要請して、商品の自主回収を行わせたことを発表した。 1997年に三笠フーズが吸収合併した宮崎商店(現・三笠フーズ九州事業所)は合併以前から不正転売を行っており、合併以降も元社長の男が三笠フーズ九州工場所長に就任し、三笠側に事故米の転売を提案したと報じられている。 問題の発覚後、三笠フーズは全従業員を解雇し、事業の縮小を図ることを発表した。 その後、農林水産省が他の事故米穀の処理状況について調査したところ、三笠フーズの他にも愛知県の株式会社浅井と太田産業株式会社、新潟県の島田化学工業株式会社が、独自に不正転売していたことが判明した。 転売先について農水省が調べたところ、多数の業者を介する複雑な流通経路を経た後に食品加工会社、酒造会社、菓子製造会社等全国の多数の業者に転売されていたことが発明した。転売先の公表については、農林水産省は、転売先の風評被害等を考え、同意の得られた5社のみに限ってに公表していたが、国民の不安払拭のために一転公表に踏み切り、9月16日に24都府県の375社の名称を明らかにした。しかし、同日に、転売先の会社の1つで社長が自殺する事態になった。その後も、調査で転売先と判明した会社については、順次追加公表している。 この事件の対応の責任を取り、2008年9月18日に、農林水産大臣太田誠一と農林水産省事務次官白須敏朗が辞任している。
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