上の家の人達
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 08:01 UTC 版)
洪作の母方の実家。洪作やおぬい婆さんが住む土蔵の近隣に位置する。 おしな婆さん 洪作の義理の曾祖母。沼津の家老の娘で、全く生活力の無い女性。辰之助との婚礼の折、嫁入り道具として朱塗りの風呂桶と薙刀を持ちこんだエピソードが、長らく村人の語り草になる。後におぬいを妾として迎えた辰之助とは別居状態となり、おぬいの下で暮らす洪作にも偏見を持つようになる。洪作が小学校3年生の春、80歳過ぎで他界。 文太 洪作の母方の祖父。酒好きで、豆腐を肴にしては年中飲んでいるため酒焼けで顔色が赤い。さらに気難しいため、作中ではたびたびおぬい婆さんと派手な喧嘩をする。洪作はこの祖父に認められていないことを常々不満に思っていたが、浜松に転居する折の別れで、初めて肉親として親愛の情を抱く。 たね 洪作の母方の祖母。受難者的な性格で、家庭内や村内でもめごとが発生した折は自分が悪者になっても事を鎮めようとする。おぬい婆さんとの関係も、割合良好である。 大一 文太の長男。アメリカ在住。作品では名前のみの登場。 大二 文太の二男。満州在住。 大三 文太の三男。東京の旧制中学校に通学。 さき子 文太の三女で、洪作や村の子どもたちの憧れの存在。芯が強い性格のため、おぬい婆さんとは犬猿の仲である。沼津の女学校に通学していたが、卒業後に教師として洪作の小学校に着任する。やがて同僚教師の中川基と恋愛関係に陥り、妊娠。名家の娘の妊娠は、封建的な村では悪評として広まる。後に出産するも、間もなく肺結核で死去。モデルは井上靖の母方の叔母である井上まち。井上は「幼き日のこと」で、上の家にいるさき子(まち)を「はき溜めに鶴が降りたよう」と記している。 大五 文太の五男。洪作より3歳年長。 みつ 文太の末娘。洪作にとっては「同年の叔母」になる。
※この「上の家の人達」の解説は、「しろばんば」の解説の一部です。
「上の家の人達」を含む「しろばんば」の記事については、「しろばんば」の概要を参照ください。
- 上の家の人達のページへのリンク