三次元事業定義モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/14 15:25 UTC 版)
「デレク・F・エーベル」の記事における「三次元事業定義モデル」の解説
「エーベルモデル」とも呼ばれる三次元事業定義モデルは、企業が自らの事業を定義する際に使用する理論である。エーベル以前にはイゴール・アンゾフのマトリックスに代表される製品/市場グリッドなど、資源力と市場計画を通じて二次元の視点で事業を定義する考え方が主流であった。 彼は著書『事業の定義』において、従来の二次元事業定義では不十分であると論じ、代わって三次元の視点から事業を定義する必要があるとの説を提唱している。エーベルの三次元事業定義モデルは次の要素から成っている。 顧客層 …… 製品やサービスを享受する顧客がどの層であるか 顧客機能 …… 顧客の需要はなにか 技術 …… 顧客層に顧客機能を提供するためにどの技術を持つか 『事業の定義』に挙げられている例では、例えば1960年代から1970年代におけるIBM社と互換周辺機器メーカー(PCM)各社では、PCM各社は「顧客機能」をSystem/360の周辺機器、「テープドライブ」「ディスクドライブ」「高速プリンター」「ダイレクト・アクセス・メモリ」などに絞り、「西海岸における航空業界の経済的沈滞によって有能な電子および電子工学の技術者」を調達、また元IBM社員を擁するという「技術」を持つことによって安価に製品を実現した。 また1970年代の画像診断技術において、レコード、テープの製造販売企業であった英国EMI社は在籍しているゴッドフリー・ハウンズフィールドによるコンピューターを用いたX線断層撮影の「技術」を用いたCTスキャナーで画像診断分野に進出、更には英ニュークリア社を買収し放射線および超音波による診断「技術」も用いた参入も行った このような顧客層、顧客機能、技術による事業定義は静的に固定するためのものではなく、定期的に事業の再定義あるいは細分化を行い見直して事業戦略の出発点とすべきことが説かれている。
※この「三次元事業定義モデル」の解説は、「デレク・F・エーベル」の解説の一部です。
「三次元事業定義モデル」を含む「デレク・F・エーベル」の記事については、「デレク・F・エーベル」の概要を参照ください。
- 三次元事業定義モデルのページへのリンク