ワーキング・トゥゲザー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 08:07 UTC 版)
「ボーイング777」の記事における「ワーキング・トゥゲザー」の解説
777はボーイングと発注した航空会社が設計上の諸問題を解決したり、航空会社が個々の要望を出していく「ワーキング・トゥゲザー (Working Together)」を結成した(参加型デザインも参照)。これは777を767の単純な拡大版で作ろうとした際、多くの航空会社に反対されたため、開発当初からユーザーである航空会社の意見を取り入れようと考え出されたものである。 主な航空会社の要望を以下に挙げる。 ユナイテッド航空 ローンチカスタマー(最初の発注者)であるユナイテッド航空は、本拠地を置くシカゴの冬季を想定し、手袋をしたままで各部の点検用アクセスドアを開閉できること、またそれらの多くが大きな脚立などを用意しなくても手が届くような高さにすること、大型の横スライド式非常口は片手でも開閉できるようにすることを求めた。 全日本空輸 2番目に発注した全日本空輸は、便器の蓋がバタンと閉まるのは乗客が不愉快に感じることが多いために蓋がゆっくり閉まる機構などの提案を行った。 また、ボーイング社は777の機体の大きさから、空港での取り回しを良くするために主翼を折り畳む機能を標準装備にしようと考えていた。しかし、全日本空輸は主翼を折り畳む機能は機体重量を増加させ、構造も複雑になり整備もしにくくなるとして、この機能を標準ではなくオプションにすることを強く求め、ボーイング社はその求めを受け入れた。 ほかにも、整備用ハッチをキャビン床に取り付けること、降着装置に採用されているタイヤをバイアスタイヤから乗用車と同じラジアルタイヤ(ANAはミシュラン製を装着)に変更することも求めた。 日本航空 6番目に発注した日本航空は、777-300ER型機のノーズギアの緩衝装置の空気室を2つにするよう求めた。また、それに伴い、貨物積み下ろし時の重量変化に対する緩衝装置の伸び縮みが十分に小さいことを確認することも同時に求めた。 また、英語圏以外の運航乗務員や航空会社でもマニュアルの誤読などがなくなるよう、マニュアル類に使用されている英語を極力平易なものにすることを求めた。これに際し、JALは1985年の123便墜落事故以来、部品の不具合情報を蓄積した「信頼性データベース」を提供している。 ほかにも、ノーズギヤのパーキングブレーキ表示灯、高度計のQNHとQNE(高度計規正値)の切り替え機能装備について求め、採用された。
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