ロイヤリストの行軍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/31 04:31 UTC 版)
「ムーアズクリーク橋の戦い」の記事における「ロイヤリストの行軍」の解説
マクドナルドはその好ましいと思った道がムーア隊に塞がれたので、ウィルミントンから約18マイル (29 km) にあるウィドウ・ムーアズクリーク橋の方向に行き着くことになる別の道を選んだ。2月20日、マクドナルド隊はクロスクリークでケープフェア川を渡り、ムーア隊が使えないように渡河に使った船を破壊した。この部隊は次にサウス川を渡り、ブラック川の渡し場であるコルベット・フェリーへ向かった。キャズウェルはムーアからの命令に従い、その渡し場に真っ先に到着してそこに防御物を構築した。ムーアはキャズウェル隊が敗北したり回避したりされる事態の予防処置として、リリントンにウィルミントンの民兵150名、ジョン・アッシュ大佐にニューハノーバー志願兵レンジャーズ中隊の100名を付けて、ウィドウ・ムーアズクリーク橋に陣地を構えるよう派遣した。これらの部隊は強行軍で移動し、ケープフェア川の南岸をエリザベスタウンまで進んで、そこから北岸に渡った。そこからはブラック川とクロスクリークの合流点に降り、クリークの東岸で塹壕を掘り始めた。ムーアは別の民兵中隊を派遣してクロスクリークを占領させ、大陸軍兵にはリリントンとアッシュの部隊の後を追わせた。この部隊も同じ経路を通ったが、戦闘が終わるまでに到着できなかった。 マクドナルドとその部隊がコルベット・フェリーに到着したとき、そこの渡し場がキャズウェル隊に封鎖されていることが分かった。マクドナルドは戦闘に備えさせたが、土地の奴隷からブラック川を数マイル遡った所に2つめの渡し場があると教えられた。2月26日、マクドナルドは後衛部隊に渡河を計画しているように見せる陽動行動を命令し、一方で主力を率いて2つめの渡し場に向かい、さらにムーアズクリーク橋に進んだ。キャズウェルはマクドナルド隊が擦り抜けようとしていることに気付くと、その兵士をわずか数時間で10マイル (16 km) 先のムーアズクリークに急がせ、そこでマクドナルド隊を叩こうとした。マクドナルドは兵士の1人に休戦の旗を持たせてパトリオットの宿営地に行かせて降伏を要求させ、ついでにその防御の度合いを探らせた。キャズウェルは降伏を拒否したので、その使者はパトリオットの防御度に関する詳細の情報と共に戻ってきた。 ムーアズクリーク橋に向かう動きを示す地図A: キャズウェル隊の動きB: マクドナルド隊の動きC: リリントンとアッシュ隊の動きD: ムーア隊の動き キャズウェル隊は橋の西岸にいくらか塹壕を掘っていたが、そこはパトリオットにとって利点のある場所ではなかった。その陣地は唯一の退路が狭い橋を渡っていくことになる場所を守ることを強いるものだったので、マクドナルドは地図を見たときにパトリオット側の明らかな不利を認識できた。ロイヤリストはその夜に開いた作戦会議で攻撃を決断した。別の渡し場を探すことはムーア隊がこの地域に到着する時間を与えてしまうからだった。その夜キャズウェルはその陣地を棄てて、クリークの反対側に陣地を構える決断をした。ロイヤリストが橋を使うときに事態を難しくさせるために、橋の板を外し、手摺りにはグリースを塗った。
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