メンダインの日本での状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 09:24 UTC 版)
「メンダイン」の記事における「メンダインの日本での状況」の解説
日本へはCowper-ColesやCoombeの会社が直接進出したのではなく、代理店等がMENDINEを輸入した。少なくとも1908年までには日本で販売されており、このときの輸入元は「東京グロウス商会」。以後1930年代まで販売されており、輸入元は複数社、小売店も多数あった。 (年次は確認できる資料の時期。発売時期ではない) メンダインの絵入り広告。1921年 朝鮮 メンダインの絵入り広告。1925年 東京 メンダインのカートン写真入り広告。1928年 大阪 日本で商標登録されているとの広告がある。 だいぶ後のイギリスでのMendine Co.の広告(1938年)に「日本における正規代理店はG. Blundell & Co., Ltd. 横浜 私書箱14号」とある。同名の「ジー・ブランデル商会」という輸出入商が横浜山下41番地にあった。過去の輸入者がジー・ブランデル商会を経由していたかどうかは不明。 接着力は強力で便利だが、高価なのが難点との声が多かった。イギリスではMENDINEがSECCOTINEの安価な代替品だったのとは対照的である。価格は1909年時点でチューブ小管入25銭。1912年当時のかけそば1杯が3銭なので、メンダインは郵送料の12倍、かけそばの8倍も高かった。日本でのキャッチコピーは"WILL EFFECTUALLY STICK EVERYTHING"で、イギリスとは異なる。 後にセメダインの創業者となった今村善次郎は、当初メンダインを販売していた。メンダインなどの輸入品を模倣して自社開発した:27チューブ入り接着剤が「セメダイン」である。「メンダイン」がセメダインの商品名の由来のひとつだという説もあり:19-20、たびたび引用される。セメダインは商品名を舶来品風に英語表示しており、キャッチコピーもMENDINEと同じ。CEMEDINEのほかにも、英美堂の"STRONG MENDER GLUE"「ストロングメンダー」という商品名の接着剤もあった。 各社キャッチコピー比較商品名キャッチコピー例SECCOTINE FOR STICKING EVERYTHING カナダの広告1911年 SECCOTINE WHICH MENDS EVERYTHING イギリスの広告1911年 MENDINE MENDS EVERYTHING イギリスの広告1919年 MENDINE WILL EFFECTUALLY STICK EVERYTHING 日本の広告1925年 CEMEDINE WILLEFFECTUALLY STICK EVERYTHING 日本の広告1934年 CEMEDINE MENDS ANYTHING 日本の広告1939年 日本では「メンダイン」が一般名化した。「メンダイン製造法」と称する記事が書かれた書籍もあったが、片栗粉・希硝酸・水・グリセリンを練ったもので、膠系とは成分が全く異なる。 接着剤、あるいは「セメダイン」のことを「セメンダイン」と誤記することが戦後まで続いている(「セメン」はセメント(接着剤)の略称)。 日本で2020年にMENDINEの現物が「セメダインB号」の現物とともに再発見された。
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