マスゴミ
(マスコミ不信 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/28 00:19 UTC 版)
マスゴミとは、マスメディアを中心としたマスコミを批判的に扱う際に用いられる蔑称であり[1]、インターネットスラングとされることもあるが、用例はインターネットが普及する前の1950年代から存在する(後述)。
概要
テレビや新聞・雑誌・ニュースサイト、ポータルサイトなどを中心とするマスコミを批判的に表現する際の用語で、特に影響力が大きい在京の報道機関(特に大手キー局・全国紙)を批判する際に使用される用語で、「マスコミ」と「ゴミ」をかけ合わせた言葉[2]。「マズい」と「ゴミ」をかけ合わせて「マズゴミ」、あるいは「カス」と「ゴミ」をかけ合わせて「カスゴミ」とも呼ばれる。
韓国では、同じ発想で作られた「キレギ(朝鮮語: 기레기)」という言葉がある。記者(朝鮮語でキジャ、기자)とゴミ(朝鮮語でスレギ、쓰레기)を合わせた単語である[3]。
英語圏では、政治家や世論調査会社、報道機関が、自分たちの都合の良いように意図的に情報を流すことを「スピン」と呼ぶ。そして「スピン」の技法に長けた者を「スピンドクター」という蔑称で呼ぶ。
歴史・用例
「マスゴミ」という蔑称はインターネットスラングとしての成立以前から存在している。
古くは1957年の雑誌に「マスゴミ」[4]や「マス・ゴミ(塵芥)ニケイション」[5]という表現が使われている。
フィクション作品では、1966年の大映映画『野良犬』において、田宮二郎演じる主人公・鴨居大介が「お前らマスコミやないわい、マスゴミじゃ!」と激怒する場面が存在する[2]。
テレビ放送では、1992年の第16回参議院議員通常選挙の際にNHKで放送された政見放送で、同選挙の立候補者である東郷健が「ソ連が崩壊したことをマスコミじゃなしにマスゴミは資本主義の勝利で社会主義の敗北だと、バカなことを言っていますが…」と演説した[6]。
そして他にもマスゴミと呼ばれる例はあり災害・事故時などに被災地・現場等の上空にて報道ヘリで撮影する際にホバリング音の影響で瓦礫や土砂に埋まっている人の声が聞こえない・救えないなどの問題や被災者による証言もある。「主な事例 阪神・淡路大震災・新潟中越地震・JR福知山線脱線事故・東日本大震災・熊本地震・北海道胆振東部地震・令和6年能登半島地震など」それにより死者が増えてしまう事があり、世間やネット上では問題になっている。[7][8][9]
脚注
- ^ 「マスゴミ」と呼ばれ続けて ITPro 2008年9月1日、2015年7月25日観覧
- ^ a b 毎日新聞 (2013年8月20日). “牧太郎の大きな声では言えないが…:「マスゴミ」”. 毎日新聞 2013年9月19日閲覧。
- ^ “【韓国メディアの苦悩(4)】<ポータルサイト編>パクリ記事を垂れ流し 8000のネット新聞が跋扈”. 産経新聞. (2020年1月5日) 2020年1月11日閲覧。
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: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ) - ^ 「矯正人語 ます・こみ アラベスク」『刑政』1957年9月号、矯正協会、55頁。NDLJP:2671438/29
- ^ 「今月の教育放送から」『視聴覚教育』1957年11月号、日本映画教育協会(現:日本視聴覚教育協会)、64頁。NDLJP:6068038/34
- ^ 平成4(1992)年 第16回参議院議員通常選挙 政見放送再録
- ^ “(能登半島地震)報道ヘリは救助の妨げか 災害で拡散する批判の検証”. 日本ファクトチェックセンター (JFC) (2024年1月13日). 2025年9月17日閲覧。
- ^ 大口歩也. “2004年、新潟県中越地震で起きたマスコミ不信”. ooguchib.blog.fc2.com. 2025年9月17日閲覧。
- ^ ““報道ヘリ”が象徴する大手メディアの問題点〜災害救助の弊害と匿名の無責任体制①|[連載]清谷信一「自衛隊の常識は軍隊の非常識」(6) | "Japan In-depth"[ジャパン・インデプス]”. NEXT MEDIA "Japan In-depth"[ジャパン・インデプス]. (2013年10月25日) 2025年9月17日閲覧。
参考文献
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出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。
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- 黒薮哲哉『新聞があぶない ―新聞販売黒書―』 花伝社、2006年 ISBN 978-4763404589
- 日隅一雄『マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのか ―権力に縛られたメディアのシステムを俯瞰する―』 現代人文社、2008年 ISBN 978-4877983710
- 三橋貴明『マスゴミ崩壊 ―さらばレガシーメディア―』扶桑社、2009年 ISBN 978-4594060435
関連項目
外部リンク
- 「マスゴミ」と呼ばれ続けて・続篇(友人座談会編)(ITpro)
- ネット時代とジャーナリズム不信の関係を考える(1)-北野誠「永久追放」事件などから見えてきた問題-(NPJ通信「メディアは今何を問われているか」桂敬一)
- 意図的な隠蔽、過剰報道…「今のマスコミはかなりおかしい」と思う? - インフォシーク 2013/05/21 12:00
- マスコミ不信のページへのリンク