ポロネーズ第14番 嬰ト短調とは? わかりやすく解説

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ショパン:ポロネーズ第14番 嬰ト短調

英語表記/番号出版情報
ショパン:ポロネーズ第14番 嬰ト短調Polonaise gis-Moll KK.IVa/3 CT163作曲年: 1824?年  出版年1864年  初版出版地/出版社: Kaufmann, Schott  献呈先: Mme Dupont

作品解説

2010年4月 執筆者: 塚田 花恵


作曲1824年
出版1864年ワルシャワ出版社:Kaufmann)とマインツ出版社:Schott)で出版

 従来研究では1822年作曲とされてきたが、エキエルは1824年としている。前のポロネーズ3曲(ト短調変ロ長調変イ長調)と比較すると、作曲技術前進していることは明確で、10代前半の作とは信じ難い
 ショパン1822年ジヴニーレッスン終えて一流のコンサート・ピアニストであったヴュルフェルにピアノ学んでいる。そこで、フンメルフィールドリースといった、当時ヴィルトゥオーソレパートリー接し、「華麗様式」を吸収した。この曲ではヴィルトゥオーソ的な語法用いられており、そのレッスン成果存分に発揮されている。
 曲の構成はA(1-27小節)-B(28-61小節)-A(1-27小節)の複合三部形式で、各部分がさらに三部分けられる左手伴奏パートは、以前作品見られたような古典的な伴奏ではなく多様な音型で、広い音域動きまわる中間部では、右手鍵盤駆け巡り二重トリル32分音符パッセージ、平行3度和音連続など、様々なテクニック聴かせる

2010年2月 執筆者: 岡田 安樹浩

1822年ショパン12歳時の作品当時ピアニストとして演奏会にたびたび出演し作品出版行っていたショパンは、ワルシャワでは「神童」としてその名を知られていた。
とはいえ習作期の作品を、後年の作品同列扱ってなるまいこの年ショパンは、後に音楽院教えを受けることになるユゼフ・エルスネルから音楽理論の手ほどきも受けるようになっていたが、この『ポロネーズ』に表現されているのは音楽理論学習成果などではなく明らかにヴィルトゥオーゾ志向していたショパンピアノ演奏テクニック一端である。
それまで作曲した3曲と同様この曲も、主部トリオ、そしてダ・カーポ主部繰り返して曲を閉じる、という3部構成をとる。しかし我々は、まず「嬰ト短調」という調性選択に驚かねばならない調号4つ上の調性は、当時調律ではまだ主要三和音響き濁りがあったため、曲の主要な調性として用いられることは少なかった。そしてシャープ5つもつく嬰ト短調は、楽譜見た目からしてすでに、ヴィルトゥオージティを感じさせる。後にフランツ・リストが『ラ・カンパネラ』をこの調性作曲当初変イ短調だったものを改作)したことを思い起こせば、この考えあながち的外れとは言えいだろう
主部オクターヴ跳躍を含む半音階下行幅広い音域わたってオクターヴ跳躍分散和音トリオにおける倚音をともなうパターン化され分散和音3度重音トリル多用など、いずれもヴィルトゥオーゾ演奏基本的な技術であり、それらが曲のそこかしこちりばめられているのである。また全曲中一度も、第1拍目の裏拍を16分音符分割するポロネーズ特有のリズムあらわれていないことにも、注目すべきである。つまりこの曲は、ポロネーズという曲想借りて即興演奏技術盛り込まれたものなのである



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