ボスポロスとローマの戦いとは? わかりやすく解説

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ボスポロスとローマの戦い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 20:39 UTC 版)

サルマタイ」の記事における「ボスポロスとローマの戦い」の解説

ボスポロス王国のミトリダーテス(在位41年 - 45年)は王位を弟のコチュスに奪われ以来各地彷徨っていたが、ボスポロス王国からローマ将軍ディーディウスとその精兵撤退し王国にはコチュス(在位45年 - 62年)とローマ騎士ユーリウス・アクィラの率い少数援軍しか残っていないことを知った。ミトリダーテスは二人指揮者を見くびって部族煽動して離反促し軍勢集めてダンダリカ族の王を放逐し、その王国掌中収めた。これを聞いたアクィラとコチュスは、自分らだけの手勢に自信持てなかったため、アオルシー族の強力な支配者であったエウノーネスに使節送り同盟条約結んだ両軍合同し縦隊をつくり、進軍開始した前部後尾はアオルシー族が、中央ローマ援軍ローマ風に装備したボスポロスの部族固める。こうした隊形で敵を撃退しながら、ダンダリカ王国首邑ソザに達した。すでにミトリダーテスがこの町を放棄していたため、ローマ軍予備隊を残して監視することにした。ついでシラキー族の領地侵入しパンダ河を渡り首邑ウスペを包囲した。この町は丘に建てられ城壁や濠で守られていたが、城壁は石ではなく細工細工積み重ねたものに土をつめただけのものであったため、突破するのにさほど時間がかからなかった。包囲軍は壁より高い築き、そこから松明投げ込み、敵を混乱に陥れた。 翌日、ウスペの町は使節送ってきて「自由民に命を保証してくれ」と嘆願し奴隷一万提供しようとした。ローマ軍はこの申し出断り殺戮号令下した。ウスペの町民潰滅は、付近人々恐怖どん底に陥れた。シラキー族の王ゾルシーネスはミトリダーテスの絶体絶命救ってやろうか、それとも父祖伝来王位維持しようかと、長い間考えあぐねた遂に自分部族利益勝って人質提供しカエサルの像の下にひれ伏した。こうしてローマ軍タナイス河を出発して以来三日間の行軍一滴の血も失わず勝利を勝ち取ることができた。しかしその帰途、海を帰航していた幾艘かの船が、タウリー族の海岸打ち上げられ、その蛮族包囲され援軍隊長とその兵がたくさ殺された。 ミトリダーテスは自分軍隊を少しも頼れなくなり、アオルシー族のエウノーネスに依ろうとした。ミトリダーテスは服装外見現在の境遇できるだけつかわし工夫し、エウノーネスの王宮赴いた。 エウノーネスは盛名をはせたこの人運命変わり方と、そして今もなお尊厳失わぬ哀訴にひどく心を動かされた。そして嘆願者の気持ち慰めローマ恩赦乞うために、アオルシー族とその王の誠意を択んだことに感謝した。さっそくエウノーネスは使節次のような文書カエサル所へ送った。「ローマ最高司令官らと偉大な民族の王たちの友情は、まず地位相似から生まれている。予とクラウディウスその上に勝利を分けあっている。戦争恩赦で終わる時はいつも、その終結輝かしい。このようにして征服されたゾルシーネスはなにも剥奪されなかった。なるほどミトリダーテスはさらに厳しい罰に価する彼のため権力王位復活を願うのではない。ただ彼を凱旋式引き出したり、斬首懲らしめたりないようにと願うだけである。」

※この「ボスポロスとローマの戦い」の解説は、「サルマタイ」の解説の一部です。
「ボスポロスとローマの戦い」を含む「サルマタイ」の記事については、「サルマタイ」の概要を参照ください。

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