ホワイトハウス広報部長
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ホワイトハウス広報部長(ホワイトハウスこうほうぶちょう、英: White House Communications Director)は、アメリカ合衆国大統領の上級職員の一員であり、大統領の政策の展開・伝達やメディア戦略を率いる責任を担っている。大統領補佐官としても知られている。広報部長は部下の職員とともに就任演説や一般教書などでのスピーチを作成する。広報部長は大統領によって任命され、上院の承認を得る必要はない。ホワイトハウスのウェストウィングに広報部長のオフィスが存在する。
歴史
ホワイトハウス広報部長はニクソン政権期の1969年にハーバート・G・クレインによって設立された[1]。1969年から1974年までは報道官のオフィスとは離れていた[2]。
役割と責任
歴史的には、ホワイトハウス広報部長の地位は大統領選挙での候補者の選挙事務所の上級広報担当スタッフに与えられている。 多くの場合、副選挙事務長または選挙広報部長のどちらかである。広報部長は大統領選挙時の同僚であることが多いホワイトハウス報道官と緊密に協力している。
大統領の声とビジョンが明白でなければならないので、広報部長は、広報のあらゆる側面が政権のメッセージが確実に正しく伝わるようにカバーされていることを保証する。広報部長はまた、大統領の政策を全メディアに広めるための広報戦略を策定しなければならない。それらには連邦議会の演説、テレビ放映される記者会見、報道への声明、ラジオ演説などが含まれるが、これらに限定されてはいない。 また、広報室は大統領のメッセージを発信するための一貫した戦略を立てるために、閣僚レベルの部署やその他の執行機関と緊密に連携している。
大統領広報の観点からインターネットと新しいメディアの重要性が増しているため、広報室はインターネット、特にFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアサイトを利用して大統領のビジョンをより多くの人々に公開している。
主要スタッフ
- 大統領補佐官及び広報部長:ケイト・ベディングフィールド
- 大統領副補佐官及び広報副部長:ジェシカ・ディトー
- 大統領副補佐官、広報副部長、調査部長: ラジー・シャー
- ホワイトハウス報道官: サラ・ハッカビー・サンダース
- 大統領副補佐官及びホワイトハウス副報道官: 空席
- 副報道官: リンジィ・ウォルターズ[3]
- 大統領副補佐官及び広報戦略部長: ホープ・ヒックス
- 大統領副補佐官及びソーシャルメディア部長: ダン・スカビーノ
2017年3月、副報道官のステファニー・グリシャムがファーストレディのメラニア・トランプ事務所の広報部長に指名された[4]。
部長
氏名 | 任期開始 | 任期終了 | 大統領 |
---|---|---|---|
Herb Klein | 1969年1月20日 | 1973年7月1日[5] | リチャード・ニクソン |
Ken Clawson | 1974年1月30日 | 1974年11月4日 | |
ジェラルド・R・フォード | |||
Jerry Warren | 1974年11月4日[6] | 1975年8月15日 | |
Margita White | 1975年8月15日 | 1976年7月 | |
David Gergen | 1976年7月[7] | 1977年1月20日 | |
Gerald Rafshoon | 1978年7月1日 | 1979年8月14日 | ジミー・カーター |
Frank Ursomarso | 1981年2月23日[8] | 1981年6月17日 | ロナルド・レーガン |
David Gergen | 1981年6月17日[9] | 1984年1月15日 | |
Michael A. McManus Jr. | 1984年1月15日 | 1985年2月6日 | |
パット・ブキャナン | 1985年2月6日 | 1987年3月1日 | |
Jack Koehler | 1987年3月1日 | 1987年3月13日[10] | |
Tom Griscom | 1987年4月2日 | 1988年7月1日 | |
Mari Maseng | 1988年7月1日 | 1989年1月20日 | |
David Demarest | 1989年1月20日 | 1992年8月23日 | ジョージ・H・W・ブッシュ |
マーガレット・タトワイラー | 1992年8月23日[11] | 1993年1月20日 | |
ジョージ・ステファノプロス | 1993年1月20日 | 1993年6月7日 | ビル・クリントン |
Mark Gearan | 1993年6月7日[12] | 1995年8月14日 | |
Don Baer | 1995年8月14日 | 1997年7月31日 | |
Ann Lewis | 1997年7月31日 | 1999年3月10日 | |
Loretta Ucelli | 1999年3月10日 | 2001年1月20日 | |
カレン・ヒューズ | 2001年1月20日 | 2001年10月2日 | ジョージ・W・ブッシュ |
Dan Bartlett | 2001年10月2日[13] | 2005年1月5日 | |
Nicolle Wallace | 2005年1月5日 | 2006年7月24日 | |
Kevin Sullivan | 2006年7月24日 | 2009年1月20日 | |
Ellen Moran | 2009年1月20日 | 2009年4月21日 | バラク・オバマ |
Anita Dunn Acting | 2009年4月21日 | 2009年11月30日 | |
Dan Pfeiffer | 2009年11月30日 | 2013年1月25日 | |
Jennifer Palmieri | 2013年1月25日 | 2015年4月1日 | |
ジェン・サキ | 2015年4月1日 | 2017年1月20日 | |
ショーン・スパイサー | 2017年1月20日 | 2017年3月6日 | ドナルド・トランプ |
Michael Dubke | 2017年3月6日[14] | 2017年6月2日[15] | |
ショーン・スパイサー | 2017年6月2日 | 2017年7月21日 | |
アンソニー・スカラムッチ[注釈 1] | 2017年7月21日[16] | 2017年7月31日[17] | |
ホープ・ヒックス[18][19] | 2017年8月16日 | 2018年3月29日 | |
Bill Shine | 2018年7月5日 | 2019年3月8日 | |
ステファニー・グリシャム | 2019年7月1日 | 2020年4月7日 | |
ケイト・ベディングフィールド | 2021年1月20日 | 2023年3月1日 | ジョー・バイデン |
Ben LaBolt | 2023年3月1日 | (現職) |
大衆文化において
ドラマ『ザ・ホワイトハウス』では最初の数シーズン間はリチャード・シフが演じるトビー・ジーグラーが広報部長を務めていた。
注釈
- ^ 正式就任には至っていなかった。
参考文献
- ^ "White House Unit Takes on New Life", The Washington Post, Nov. 26, 1973, p. 9.
- ^ "Press Operations in White House Revised, With Politics Ruled Out", The New York Times, August 17, 1974, p. 15.
- ^ Nussbaum, Matthew, "Trump team announces additional White House hires", Politico, January 19, 2017.
- ^ Klein, Betsy, and Noah Gray, "Melania Trump hires communications director", CNN, March 27, 2017.
- ^ "Richard Nixon: Letter Accepting the Resignation of Herbert G. Klein as Director of Communications for the Executive Branch".
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引数が必須です。 (説明) - ^ "Managing the President's Message: The White House Communications Operation". JHU Press. 6 July 2007.
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引数が必須です。 (説明) - ^ "Gerald R. Ford Presidential Library and Museum".
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引数が必須です。 (説明) - ^ Ursomarso, Frank: Files, 1981 (3.1 l.ft.; Box 1-8), reaganlibrary.archives.gov.
- ^ "Key Reagan Administration Officials".
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引数が必須です。 (説明) - ^ "Letter Accepting the Resignation of John O. Koehler as Assistant to the President and Director of Communications".
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引数が必須です。 (説明) - ^ Appointment of Margaret DeBardeleben Tutwiler as Assistant to the President for Communications, gpo.gov.
- ^ "William J. Clinton: Press Briefing by David Gergen and Mark Gearan".
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引数が必須です。 (説明) - ^ "George W. Bush: Statement by the Press Secretary: Bartlett Named White House Communications Director".
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引数が必須です。 (説明) - ^ "President Donald J. Trump Announces White House Staff Appointments", whitehouse.gov, March 06, 2017.
- ^ “Mysterious disappearance of Donald Trump's mouthpiece Sean Spicer”. The New Zealand Herald (2017年6月6日). 2017年6月6日閲覧。
- ^ The White House (2017-07-21), Press Briefing with Principal Deputy Press Secretary Sarah Sanders 2017年7月21日閲覧。
- ^ トランプ政権のスカラムチ広報部長、就任10日で解任 新首席補佐官が要請
- ^ “米ホワイトハウス、広報部長に28歳女性”. 日本経済新聞電子版. (2017年9月13日) 2018年1月18日閲覧。
- ^ “28歳元モデル美女ヒックス ホワイトハウス広報部長に昇格”. 日刊ゲンダイDIGITAL. (2017年9月14日) 2018年1月18日閲覧。
ホワイトハウス広報部長
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「アンソニー・スカラムーチ」の記事における「ホワイトハウス広報部長」の解説
2017年7月21日、トランプ政権下でホワイトハウス広報部長に指名された。スカラムーチは、「首席補佐官に対して報告を行っていたショーン・スパイサーとは異なり、大統領に直接報告を行う予定」とホワイトハウスが発表した旨、多数の報道機関によって伝えられた。 スカラムーチ任命の発表後、ホワイトハウス報道官ショーン・スパイサーは、トランプ大統領に対して辞任届を提出。ニューヨーク・タイムズが報じたところによると、「スカラムーチの任命には絶対に反対だ」と忠告した後、辞任した。トランプの首席補佐官ラインス・プリーバスもまた、スカラムーチの起用に「激しく反対」していた。 2017年7月26日、スカラムーチは『ザ・ニューヨーカー』のライアン・リザ記者に対して架電した。そして、スカラムーチが出席したトランプとの夕食会に前FOXニュース共同社長ビル・シャインらが同席していたことをリザが報じた点に関し、リザがその情報源を明かさなければ、ホワイトハウス広報部のスタッフすべてを解雇すると脅した。さらに、ポリティコがスカラムーチの財務状況について報じていたことに関し、それが合衆国輸出入銀行から公的に開示された文書に基づくものであったことを知らず、プリーバスを「重罪」を犯した「ちくり屋」と非難、「クソったれの偏執狂的な統合失調症患者、まさにパラノイア」と述べた。さらに、スカラムーチはプリーバスの調子を真似て、「わあ、ビル・シャインがこっちに来るぞ。ネタをばらしてあいつらを邪魔してやれるか見てみるか、スカラムーチを6か月の間邪魔してやったみたいに」などと語り、プリーバスは「じきに辞めるだろう」と述べた。 また、そのインタビューの中で、スカラムーチはFBI及び司法省に連絡し、プリーバスを捜査するよう伝えたと話した。 さらに、スカラムーチ自身はメディアの関心を引くことに興味がないという点に関連して、「俺はスティーブ・バノンとは違う。自分のブツをおしゃぶりしようと必死になるようなヘタレじゃない」と述べた。 インタビューの翌日、スカラムーチは、「私はときどき下品な言葉を使うことがある。今後は自分の活動領域でそういう発言は控える。だが、ドナルド・トランプの政策のために情熱を込めて戦うことはやめない」とツイートした。 スカラムーチがプリーバスをニューヨーカー誌で攻撃した次の日、プリーバスは首席補佐官を辞任した。CNNの取材で、プリーバスは、2017年7月27日に既に辞任していたと述べている。さらにその翌日、ドナルド・トランプは、自身のツイッターで、新たな首席補佐官にジョン・F・ケリーを指名したと発表した。 2017年7月31日、トランプ大統領はスカラムーチを広報部長から解任した。新首席補佐官ジョン・ケリーの要請がその背景にあると見られている。ホワイトハウスの公式発表によると、スカラムーチは、「首席補佐官ジョン・ケリーに対し、白紙の状態から、自身のチームを作る機会を与えるため」これに応じたとされている。職務を開始した7月25日から職を離れた同月31日までの6日間の任期は、レーガン政権下のジャック・ケーラーが持っていた11日間の記録を抜き、広報部長として最短のものである。
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