ホワイトハウス広報部長とは? わかりやすく解説

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ホワイトハウス広報部長

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/15 23:31 UTC 版)

ホワイトハウス広報部長(ホワイトハウスこうほうぶちょう、: White House Communications Director)は、アメリカ合衆国大統領の上級職員の一員であり、大統領の政策の展開・伝達やメディア戦略を率いる責任を担っている。大統領補佐官としても知られている。広報部長は部下の職員とともに就任演説や一般教書などでのスピーチを作成する。広報部長は大統領によって任命され、上院の承認を得る必要はない。ホワイトハウスウェストウィングに広報部長のオフィスが存在する。

歴史

ホワイトハウス広報部長はニクソン政権期の1969年にハーバート・G・クレインによって設立された[1]。1969年から1974年までは報道官のオフィスとは離れていた[2]

役割と責任

歴史的には、ホワイトハウス広報部長の地位は大統領選挙での候補者の選挙事務所の上級広報担当スタッフに与えられている。 多くの場合、副選挙事務長または選挙広報部長のどちらかである。広報部長は大統領選挙時の同僚であることが多いホワイトハウス報道官と緊密に協力している。

大統領の声とビジョンが明白でなければならないので、広報部長は、広報のあらゆる側面が政権のメッセージが確実に正しく伝わるようにカバーされていることを保証する。広報部長はまた、大統領の政策を全メディアに広めるための広報戦略を策定しなければならない。それらには連邦議会の演説、テレビ放映される記者会見、報道への声明、ラジオ演説などが含まれるが、これらに限定されてはいない。 また、広報室は大統領のメッセージを発信するための一貫した戦略を立てるために、閣僚レベルの部署やその他の執行機関と緊密に連携している。

大統領広報の観点からインターネットと新しいメディアの重要性が増しているため、広報室はインターネット、特にFacebookTwitterなどのソーシャルメディアサイトを利用して大統領のビジョンをより多くの人々に公開している。

主要スタッフ

  • 大統領補佐官及び広報部長:ケイト・ベディングフィールド
    • 大統領副補佐官及び広報副部長:ジェシカ・ディトー
    • 大統領副補佐官、広報副部長、調査部長: ラジー・シャー
  • ホワイトハウス報道官: サラ・ハッカビー・サンダース
    • 大統領副補佐官及びホワイトハウス副報道官: 空席
    • 副報道官: リンジィ・ウォルターズ[3]
  • 大統領副補佐官及び広報戦略部長: ホープ・ヒックス
  • 大統領副補佐官及びソーシャルメディア部長: ダン・スカビーノ

2017年3月、副報道官のステファニー・グリシャムがファーストレディメラニア・トランプ事務所の広報部長に指名された[4]

部長

氏名 任期開始 任期終了 大統領
Herb Klein 1969年1月20日 1973年7月1日[5] リチャード・ニクソン
Ken Clawson 1974年1月30日 1974年11月4日
ジェラルド・R・フォード
Jerry Warren 1974年11月4日[6] 1975年8月15日
Margita White 1975年8月15日 1976年7月
David Gergen 1976年7月[7] 1977年1月20日
Gerald Rafshoon 1978年7月1日 1979年8月14日 ジミー・カーター
Frank Ursomarso 1981年2月23日[8] 1981年6月17日 ロナルド・レーガン
David Gergen 1981年6月17日[9] 1984年1月15日
Michael A. McManus Jr. 1984年1月15日 1985年2月6日
パット・ブキャナン
1985年2月6日 1987年3月1日
Jack Koehler 1987年3月1日 1987年3月13日[10]
Tom Griscom 1987年4月2日 1988年7月1日
Mari Maseng 1988年7月1日 1989年1月20日
David Demarest 1989年1月20日 1992年8月23日 ジョージ・H・W・ブッシュ
マーガレット・タトワイラー 1992年8月23日[11] 1993年1月20日
ジョージ・ステファノプロス
1993年1月20日 1993年6月7日 ビル・クリントン
Mark Gearan 1993年6月7日[12] 1995年8月14日
Don Baer 1995年8月14日 1997年7月31日
Ann Lewis 1997年7月31日 1999年3月10日
Loretta Ucelli 1999年3月10日 2001年1月20日
カレン・ヒューズ 2001年1月20日 2001年10月2日 ジョージ・W・ブッシュ
Dan Bartlett 2001年10月2日[13] 2005年1月5日
Nicolle Wallace 2005年1月5日 2006年7月24日
Kevin Sullivan 2006年7月24日 2009年1月20日
Ellen Moran 2009年1月20日 2009年4月21日 バラク・オバマ
Anita Dunn

Acting

2009年4月21日 2009年11月30日
Dan Pfeiffer 2009年11月30日 2013年1月25日
Jennifer Palmieri 2013年1月25日 2015年4月1日
ジェン・サキ
2015年4月1日 2017年1月20日
ショーン・スパイサー 2017年1月20日 2017年3月6日 ドナルド・トランプ
Michael Dubke 2017年3月6日[14] 2017年6月2日[15]
ショーン・スパイサー 2017年6月2日 2017年7月21日
アンソニー・スカラムッチ[注釈 1] 2017年7月21日[16] 2017年7月31日[17]
ホープ・ヒックス[18][19] 2017年8月16日 2018年3月29日
Bill Shine 2018年7月5日 2019年3月8日
ステファニー・グリシャム 2019年7月1日 2020年4月7日
ケイト・ベディングフィールド 2021年1月20日 2023年3月1日 ジョー・バイデン
Ben LaBolt 2023年3月1日 (現職)

大衆文化において

ドラマ『ザ・ホワイトハウス』では最初の数シーズン間はリチャード・シフが演じるトビー・ジーグラーが広報部長を務めていた。

注釈

  1. ^ 正式就任には至っていなかった。

参考文献

  1. ^ "White House Unit Takes on New Life", The Washington Post, Nov. 26, 1973, p. 9.
  2. ^ "Press Operations in White House Revised, With Politics Ruled Out", The New York Times, August 17, 1974, p. 15.
  3. ^ Nussbaum, Matthew, "Trump team announces additional White House hires", Politico, January 19, 2017.
  4. ^ Klein, Betsy, and Noah Gray, "Melania Trump hires communications director", CNN, March 27, 2017.
  5. ^ "Richard Nixon: Letter Accepting the Resignation of Herbert G. Klein as Director of Communications for the Executive Branch". {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  6. ^ "Managing the President's Message: The White House Communications Operation". JHU Press. 6 July 2007. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  7. ^ "Gerald R. Ford Presidential Library and Museum". {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  8. ^ Ursomarso, Frank: Files, 1981 (3.1 l.ft.; Box 1-8), reaganlibrary.archives.gov.
  9. ^ "Key Reagan Administration Officials". {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  10. ^ "Letter Accepting the Resignation of John O. Koehler as Assistant to the President and Director of Communications". {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  11. ^ Appointment of Margaret DeBardeleben Tutwiler as Assistant to the President for Communications, gpo.gov.
  12. ^ "William J. Clinton: Press Briefing by David Gergen and Mark Gearan". {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  13. ^ "George W. Bush: Statement by the Press Secretary: Bartlett Named White House Communications Director". {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  14. ^ "President Donald J. Trump Announces White House Staff Appointments", whitehouse.gov, March 06, 2017.
  15. ^ Mysterious disappearance of Donald Trump's mouthpiece Sean Spicer”. The New Zealand Herald (2017年6月6日). 2017年6月6日閲覧。
  16. ^ The White House (2017-07-21), Press Briefing with Principal Deputy Press Secretary Sarah Sanders, https://www.youtube.com/watch?v=8-oM21Td-JE 2017年7月21日閲覧。 
  17. ^ トランプ政権のスカラムチ広報部長、就任10日で解任 新首席補佐官が要請
  18. ^ “米ホワイトハウス、広報部長に28歳女性”. 日本経済新聞電子版. (2017年9月13日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASGT13H0V_T10C17A9EAF000/ 2018年1月18日閲覧。 
  19. ^ “28歳元モデル美女ヒックス ホワイトハウス広報部長に昇格”. 日刊ゲンダイDIGITAL. (2017年9月14日). https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/213523 2018年1月18日閲覧。 

ホワイトハウス広報部長

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/13 01:47 UTC 版)

アンソニー・スカラムーチ」の記事における「ホワイトハウス広報部長」の解説

2017年7月21日トランプ政権下でホワイトハウス広報部長に指名された。スカラムーチは、「首席補佐官に対して報告行っていたショーン・スパイサーとは異なり大統領直接報告を行う予定」とホワイトハウス発表した旨、多数報道機関によって伝えられた。 スカラムーチ任命発表後ホワイトハウス報道官ショーン・スパイサーは、トランプ大統領に対して辞任届を提出ニューヨーク・タイムズ報じたところによると、「スカラムーチの任命には絶対に反対だ」と忠告した後、辞任したトランプ首席補佐官ラインス・プリーバスまた、スカラムーチの起用に「激しく反対」していた。 2017年7月26日、スカラムーチは『ザ・ニューヨーカー』のライアン・リザ記者に対して架電した。そして、スカラムーチが出席したトランプとの夕食会に前FOXニュース共同社長ビル・シャインらが同席していたことをリザ報じた点に関しリザがその情報源明かさなければホワイトハウス広報部スタッフすべてを解雇する脅した。さらに、ポリティコがスカラムーチの財務状況について報じていたことに関し、それが合衆国輸出入銀行から公的に開示され文書に基づくものであったことを知らずプリーバスを「重罪」を犯したちくり屋」と非難、「クソったれ偏執狂的統合失調症患者、まさにパラノイア」と述べた。さらに、スカラムーチはプリーバス調子真似て、「わあ、ビル・シャインがこっちに来るぞ。ネタばらしてあいつら邪魔してやれるか見てみるか、スカラムーチを6か月の間邪魔してやったみたいに」などと語りプリーバスは「じきに辞めるだろう」と述べたまた、そのインタビューの中で、スカラムーチはFBI及び司法省連絡しプリーバス捜査するよう伝えた話した。 さらに、スカラムーチ自身メディア関心を引くことに興味がないという点に関連して、「俺はスティーブ・バノンとは違う。自分ブツおしゃぶりしようと必死になるようなヘタレじゃない」と述べたインタビュー翌日、スカラムーチは、「私はときどき下品な言葉を使うことがある今後自分活動領域そういう発言控える。だが、ドナルド・トランプ政策のために情熱込めて戦うことはやめない」とツイートした。 スカラムーチがプリーバスニューヨーカー誌で攻撃した次の日、プリーバス首席補佐官辞任したCNN取材で、プリーバスは、2017年7月27日に既に辞任していたと述べている。さらにその翌日ドナルド・トランプは、自身ツイッターで、新たな首席補佐官ジョン・F・ケリー指名した発表した2017年7月31日トランプ大統領はスカラムーチを広報部長から解任した。新首席補佐官ジョン・ケリー要請その背景にあると見られている。ホワイトハウスの公式発表によると、スカラムーチは、「首席補佐官ジョン・ケリー対し白紙の状態から、自身チーム作る機会与えるため」これに応じたとされている。職務開始した7月25日から職を離れた同月31日までの6日間任期は、レーガン政権下のジャック・ケーラー持っていた11日間の記録抜き広報部長として最短のものである

※この「ホワイトハウス広報部長」の解説は、「アンソニー・スカラムーチ」の解説の一部です。
「ホワイトハウス広報部長」を含む「アンソニー・スカラムーチ」の記事については、「アンソニー・スカラムーチ」の概要を参照ください。

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