ベントリー・E・C(Edmund Clerihew Bentley)
1875年(明8)、イギリスのロンドン生まれ。息子は小説家、イラストレイターのニコラスベントリー。
最初、法律の勉強をしていたが、のちに「デイリーニュース」や「デイリーテレグラフ」紙の記者を勤め、主として外国政治問題について論評を行った。また、「パンチ」に寄稿した諧謔詩は評判になった。
1904年(明37)にEクラリヒュー名義でユーモア小説を発表。
1905年(明38)にEクラリヒュー名義で発表したはじめての刊行物である諧謔詩集「初心者向けの伝記」には、聖ポール学院で知り合った親友のチェスタトンが挿し絵を描いた。
チェスタトンに挑戦するために、1913年(大2)には「トレント最後の事件」を発表し、恋愛を取り入れた作品として大きな反響があった。当初は「フィリップガスケット最後の事件」と題され、ダックワークス社の処女作コンテストに応募したが、クラブの晩餐会で隣り合わせたアメリカの編集者に話をしたところ、興味を持たれたので、原稿を取り戻し、探偵の名を変え、題名を「The Woman in Black」を変えて出版した。イギリス版はジョンバカンの尽力でアメリカ版と同年同月に出版された。
1918年(大7)、「生ける死美人」の名で「トレント最後の事件」が「探偵小説」で訳される。
1936年(昭11)、イギリス探偵作家クラブの二代目会長に就任。
1956年(昭31)、死去。
黄金期の幕開けを告げる作家であり、現代探偵小説の父として位置づけられる。
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