フランス語での意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 06:24 UTC 版)
フランス語での「フラングレ」は、ある概念に対応する単語がフランス語に存在しないため、英語を代わりに使うことを指す。こういった英語からの借用語は、好ましからざる輸入、あるいは悪いスラングであるとみなされているが、その中でも悪名高いもののひとつが le week-end (週末)である。「フラングレ」はまた、アングロ・サクソン語に起源を持ち、一般的に使われる単語の後に「ing」を付して作られた名詞を指すこともある。例えば un parking(駐車場)、un shopping(ショッピングセンター)、shampooing(シャンプー、ただし発音は [ʃɑ̃puiŋ] ではなく [ʃɑ̃pwɛ̃])などがある。注意すべきは、これらが「駐車すること」「買い物すること」「シャンプーすること」といった行為そのものを指すのではないことである。 フランス語に入ってきた単語の中には、英語に起源を持ちながらも、英語では実際に使われていない表現のものもいくつかある(例:un relooking〔大改造〕、un déstockage〔売りつくしセール〕など)。他には、間違った英語の概念に基づくもの(例:footing〔ジョギング〕)、間違った文法(例:un pin's〔コレクション用のピンズ〕は単数系・複数形ともにアポストロフィーが付く)、あるいは間違った語順(例:talkie-walkie〔ウォーキートーキー〕)のものもある。英語を話さない人々にとっては、このほうが現実的だと信じられているのである。ただしケベック州においては、talkie-walkie, footing, relooking といった表現は用いられない。 また、インターネットの世界的な普及によって、「e-mail」(電子メール)または単に「mail」のような比較的新しい英単語がフランス語に流入してきたこともある。ケベック州政府は「e-mail」という単語に対して、フランス語起源の courriel(courrier électronique,「電子的な手紙」の意味)という代替語を使うことを提案し、現在では広く浸透している。アカデミー・フランセーズも、téléphone(電話)を tél. と略すことからきた mél. という略語を提案した。 カナダ・フランス語からのもう一つの例は look という単語である。動詞の「to look」(見る)にあたるフランス語は regarder であるが、名詞の「a look」(見た目、ルックス)はそのまま look となる。つまり、「This Pepsi can has a new look」(このペプシの缶は見た目が新しい)という文は、フランス語では Cette cannette de Pepsi a un nouveau look となる。フランス語はほとんどの現代ロマンス諸語と同じく、固有語に「k」や「w」の文字が使われないため、この表現は明らかに英語からの借用であることがわかる。
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