フランス語における語義の変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 08:15 UTC 版)
「オテル」の記事における「フランス語における語義の変化」の解説
オテルという言葉には、当初から多くの意味があった。イングランド王国の博物学者マーチン・リスターは1698年に「パリには多くのホテル、つまり部屋を貸す、誰もが泊まれる宿屋がある。... この名称は、貴族や紳士たちの邸宅にも用いられる」と記していた。つまり、オテルという用語は、1698年には既に二重の意味で用いられていたことが説明されているのである。そこに、市街地の中にある重要な位置づけがなされている建物、すなわちオテル・ド・ヴィル(市庁舎)やオテル=デュー(フランス語版)(病院)といった第三の語義が追加された。ここでは、二重に語源を見いだすことができる。すなわち、オテル (hôtel) ないしオステル (ostel) は、まず第一に歓迎の場所である (hôte, hôtellerie, hospitalité)。次に、「王のオテル (l'hôtel du roi)」(ラテン語: hospitium regis)、すなわち君主の家庭生活の領域に用いられる建物を意味した。 中世には、オテルという表現は、王宮との対比において、また、ブルジョワジーの邸宅との対比において、王侯貴族の立派な邸宅を指すようになっていった。しかし、この用法は、稀であり、やがてオテル・ド・ネスル (Hôtel de Nesle) やオテル・デ・トゥルネル (Hôtel des Tournelles) のように、大貴族の邸宅についてだけ用いられるようになった。17世紀になると金融業者やブルジョワジーが所有するオテルが現れるようになった。アンシャン・レジームの末期には、「公開されていないオテル」を意味するオテル・パルティキュリエール(フランス語版)という表現が登場したが、これはオテルの意味を明確に区別することが必要になってきたためであった。
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