フォーカス・グループ・ディスカッション
【英】:FGD, Focus Group Discussion
フィールドワークにおける情報収集手段の一つで、ある特定のテーマに関して少人数(通常6〜8人)のグループに対してインタビューを行う。単なる複数人への同時インタビューではなく、参加者が意見を交わしながら議論をする中で生まれるグループ・ダイナミクスが知見を深めるところに特徴がある。また、原則として、できるだけ参加者が同質(性、年齢、民族、階級、社会・経済的地位、教育レベルなど)であることで、自由な議論を促す。グループの中に属性の大きく異なる人たちがいる、例えば地主と小作人がいるような場合、自由な意見を述べあうことは不可能であるし、リプロダクティブ・ヘルスに関わるような話を男女一緒にすることなど文化的に考えられない社会もある。FGDという言葉は、誤用、乱用される傾向がある。典型的な誤解は、単なるグループ・インタビュー、つまり複数の人を集めてインタビューをしていることをFGDと呼んでいる場合である。途上国の特に就学経験が短いあるいは無い農村の女性には、そもそもディスカッションをするということ自体に馴染みがない場合が多い。このため、単にグループ・インタビューで終わっているにもかかわらず、研究者側がFGDを実施したと勘違いしていることがある。さらに、キー・インフォーマント・インタビューなどのように調査地に入り込み時間をかけて慎重にインフォーマント選定するのと違い、人数さえ集めれば体裁上はグループ・ディスカッション風になり、短時間で計画・実施できるので乱用されやすい。しかし、本来のFGDの意義を理解せず安易にFGDを実施すると、表面的な情報収集に終わる危険性が高い。(松山章子)
参考資料:「質的研究入門」、ウヴェ・フリック、小田博志他訳、春秋社、2002年
フィールドワークにおける情報収集手段の一つで、ある特定のテーマに関して少人数(通常6〜8人)のグループに対してインタビューを行う。単なる複数人への同時インタビューではなく、参加者が意見を交わしながら議論をする中で生まれるグループ・ダイナミクスが知見を深めるところに特徴がある。また、原則として、できるだけ参加者が同質(性、年齢、民族、階級、社会・経済的地位、教育レベルなど)であることで、自由な議論を促す。グループの中に属性の大きく異なる人たちがいる、例えば地主と小作人がいるような場合、自由な意見を述べあうことは不可能であるし、リプロダクティブ・ヘルスに関わるような話を男女一緒にすることなど文化的に考えられない社会もある。FGDという言葉は、誤用、乱用される傾向がある。典型的な誤解は、単なるグループ・インタビュー、つまり複数の人を集めてインタビューをしていることをFGDと呼んでいる場合である。途上国の特に就学経験が短いあるいは無い農村の女性には、そもそもディスカッションをするということ自体に馴染みがない場合が多い。このため、単にグループ・インタビューで終わっているにもかかわらず、研究者側がFGDを実施したと勘違いしていることがある。さらに、キー・インフォーマント・インタビューなどのように調査地に入り込み時間をかけて慎重にインフォーマント選定するのと違い、人数さえ集めれば体裁上はグループ・ディスカッション風になり、短時間で計画・実施できるので乱用されやすい。しかし、本来のFGDの意義を理解せず安易にFGDを実施すると、表面的な情報収集に終わる危険性が高い。(松山章子)
参考資料:「質的研究入門」、ウヴェ・フリック、小田博志他訳、春秋社、2002年
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