ビディング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/23 00:43 UTC 版)
ディーラーの右隣の競技者から順に自分がオンブルになると宣言するか、パスする。他の人がすでにオンブルとなることを宣言している場合、別なプレイヤーは「手札交換なし(sans prendre)」を宣言することによって、オーバービッドすることができる。この場合、最初に宣言した競技者は、自分も「手札交換なし」を宣言することによってオーバービッドできる。全部のトリックを取ること(ブリッジのグランドスラムに相当)も宣言でき、これをヴォル(vole)という。ヴォルは通常のビッドや「手札交換なし」をオーバービッドできる。 ほかの2人がパスしたら、最後に宣言した人がオンブルとなる。オンブルは切り札スートを決定する。 「手札交換なし」を宣言した場合を除いて、オンブルは手札のうちの任意の枚数の不要なカードを伏せてあった13枚と交換することができる。次に他のふたりも同様にカードを交換することができる。 なお、全員がビッドせずにパスしたら、その回は無勝負として流れる。その回のチップは次回の勝者がまとめて得る。
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ビディング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 15:57 UTC 版)
「トリックテイキングゲーム」の記事における「ビディング」の解説
以下、特に断りが無い限り、プレイントリックテイキングゲームを想定して説明するが、他の種類のトリックテイキングゲームでも同様である。 札を配って(トリックテイキング)ゲームを行い、全ての札が無くなって勝敗がつくまでをディールという(札を配る行為そのものもディールと呼ばれる)。多くのトリックテイキングゲームのディールは、次の4つのフェーズからなる。 カードを配る。 ビディング(後述)を行う。 前述したルールでトリックテイキングを行う。 スコアをつけ、1.に戻る。 定められた条件(例:事前に決められた回数だけ上の4フェーズを繰り返す、誰かが事前に決められた得点に到達する、等)が満たされたら、ゲームは終了である。 ビディングとは、今回のディールで勝てると思うトリック数を各々のプレイヤーがビッド(入札)するフェーズのことで、その目的はそのディールのディクレアラー(宣言者、すなわち最高位のビッドをしたプレイヤー)を決めることである。ビディング終了後は「ディクレアラー1人」対「他の人全て」でトリックテイキングが開始される。ディクレアラーの目標は宣言を達成することで、残りの人の共通目標はそれを阻止することである。したがってディクレアラー以外の人は、このディール限定の共同戦線を張ることになる。トリックテイキングが終了したら、ディクレアラーが宣言を達成したかどうかに応じてスコアがつけられる。 誤解をまねきやすい所を強調しておくと、大抵の遊戯のビディングでは各プレイヤーは複数回ビッドすることが可能である。ただし、後のビッドほど高いビッドでなければならない。また、ビディング終了後はディクレアラーが最後にしたビッドのみが有効になり、(ディクレアラーもしくは他の人によってなされた)他の全てのビッドは忘れられる。 ビディングの典型的なルールは以下の通りである。各プレイヤーは順に時計回りで、自分が今回のゲームで勝てると思うトリック数をビッドするか、もしくはパスする。ただし多くの遊戯では、ビットできる最低限のトリック数が決まっているので、プレイヤーはその最低限以上のトリック数をビッドしなければならない。最初になされた(パス以外の)ビッドのことをオープニングビッドと言う。なお、全員がパスをした場合は、この回のディールは流れてしまい、カードが配り直しになる。以下は誰かがオープニングビッドした場合について説明する。 各プレイヤーは(オープニングビッド以外の)ビッドをする場合、これまでになされたいずれのビッドよりも高いビッドをしなければならない。たとえばこれまでになされたビッドが「7トリック取る」、「パス」、「8トリック取る」であれば、9トリックないしそれ以上のビッドをしなければならない。 ビディングはパス以外の新しいビッドが出続けている限り、時計回りに何周もする。各プレイヤーは2周目以降、前回のビッドをつりあげてもよい。例えば1周目に「7トリック取る」とビッドしても、2周目でそれをつり上げて「10トリック取る」と言ってもよい。ただしこれはもちろん、それまでに他のプレイヤーが10以上のビッドをしていない場合に限る。 最後に(パス以外の)ビッドをしたプレイヤー以外の全てのプレイヤーがパスをしたら、ビディングは終了である。例えば4人で遊んでる場合は3人が連続してパスをすればビディングは終了である。最後に(パス以外の)ビッドをしたプレイヤーがディクレアラーになる。 多くの遊戯では切り札スートはディクレアラーが決める。遊戯によってはビッド時に、獲得できると思うトリック数のみならず、自分が指定したい切り札スートもあわせてビッドする。この際スートに順番がついていて、同じトリック数のビッドならスートの順番が高いビッドの方が高いビッドとみなされる。たとえばコントラクトブリッジでは、スートの順番はNT、 ♠ {\displaystyle \spadesuit } 、 ♡ {\displaystyle \heartsuit } 、 ♢ {\displaystyle \diamondsuit } 、 ♣ {\displaystyle \clubsuit } の順である。したがって例えば「クラブで7トリック取る」というビッドよりも「ハートで7トリック取る」というビッドの方が高いビッドとみなされる。なお、スートの順番はビディング中のみ有効で、スートの順番はトリックの勝敗とは無関係である。 ビディングが終了したら、前述のように「ディクレアラー1人」対「他の人全て」でトリックテイキングが開始される。トリックテイキングが終了したら、ディクレアラーが(最後の)宣言を達成したかどうかに応じてスコアがつけられる。多くの遊戯ではディクレアラーが宣言を守ったときのみ、ディクレアラーに点が入る。たとえばディクレアラーの宣言が「7」である場合、ディクレアラーが7トリック以上勝利したときのみディクレアラーのスコアに点が入り、そうでなければディクレアラーのスコアには1点も入らない(遊戯によってはむしろマイナス点が入る)。なお、宣言が「7」であるのにディクレアラーが8トリック以上勝利しても7トリック分の点数しか入らない遊戯が多い。したがって高得点を取るには、勝率を考えながら可能なかぎり高い宣言をしておく必要がある。また、ディクレアラー以外の人はディクレアラーが宣言を達成しようがしまいが、1点も入らないのが普通である。したがって点数を取るにはディクレアラーになるしかない。 遊戯によっては特定の宣言を達成するとボーナス点が入る。典型的なのはスラムを宣言した場合で、これは「全てのトリックで勝利する」という宣言である(ポイントトリックゲームなら全てのプラス点を集める)。この手のボーナス点もあらかじめ宣言していた場合のみ入る。スラムを宣言しなかったのに偶然全てのトリックで勝利した場合は、スラム・ボーナスは入らない。なお、ハーツでは特定の札を集めれば集めるほどマイナスが増えていくが、全てのマイナス札を集めたときだけ例外的にプラス点が入る。これもスラムと呼ばれる。逆に1トリックも取らないことを宣言できる遊戯もあり、これは「ミゼール」と呼ばれる。
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