パリメトロ7号線とは? わかりやすく解説

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パリメトロ7号線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/02 23:47 UTC 版)

7号線
シュリー・モルラン駅に停車中の7号線
基本情報
フランス
所在地 パリイル=ド=フランス地域圏
種類 地下鉄
路線網 パリ・メトロ
起点 ラ・クールヌーヴ=ユイ・メ・ミルヌフサンキャラントサンク駅
終点 メリー・ディヴリー駅
ヴィルジュイフ=ルイ・アラゴン駅
駅数 38駅
開業 1910年11月5日 (114年前) (1910-11-05)
全通 1945年5月8日
運営者 パリ交通公団(RATP)
使用車両 MF 77フランス語版
路線諸元
路線距離 22.5km
軌間 1435mm
線路数 複線 (右側通行)
電化方式 直流750V 第三軌条方式
駅間平均長 608m
7号線の路線図
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7号線(7ごうせん、フランス語: Ligne 7)は、パリ交通公団(RATP)の運営するフランスの首都パリを含むイル=ド=フランス地域圏メトロ地下鉄)路線の一つ。パリ郊外北東部ラ・クールヌーヴのラ・クールヌーヴ=ユイ・メ・ミルヌフサンキャラントサンク駅と、パリ郊外南東部イヴリー=シュル=セーヌメリー・ディヴリー駅、およびヴィルジュイフのヴィルジュイフ=ルイ・アラゴン駅までを南北に結ぶ。1910年に開業。

概要

7号線はパリの東よりを南北に縦断する路線である。ただし中心部の右岸側では逆C字状に西へ蛇行しているため、同じく南北に縦断する4号線とは2ヵ所で交差している。パリ市南東部のメゾン・ブランシュ駅から南では2つに分岐している。パリのメトロ路線のうち、途中で分岐するのは7号線と13号線のみである。かつては北側でも2つに分岐していたが、現在では片方が7bis線として分離されている。

7号線は1910年にパリ中心部と北東部を結ぶ路線として開業した。1930年代にはセーヌ川を渡りパリ南東部へ延長された。セーヌ川のトンネルが完成するまでの短期間、左岸側の路線は10号線の一部として運行されていた。1980年代に南北とも郊外まで延長された。

7号線はメトロでもっとも駅数の多い路線である。

7号線の路線図

沿線概況

7号線北端のラ・クールヌーヴ=ユイ・メ・ミルヌフサンキャラントサンク駅はパリ北東部郊外セーヌ=サン=ドニ県ラ・クールヌーヴ市のユイ・メ・ミルヌフサンキャラントサンク広場(1945年5月8日広場)の地下にある。ここから国道2号線の地下をほぼ一直線に南西方向に向かい、ポルト・ド・ラ・ヴィレット駅でパリ市に入る。この経路はかつてルテティア(パリ)とベルギカ(ベルギー)方面を結んでいたローマ街道の跡である。ポルト・ド・ラ・ヴィレットからそのまま南西に向かい、東駅で西に向きを変える。ここからパリ中心部の右岸側をC字状に半周し、オペラ広場(ガルニエ宮)、パレ・ロワイヤル広場、シャトレ駅などを経由する。ポンヌフ以東ではセーヌ川の川岸の地下を通る。サン・ルイ島の上流側でセーヌ川をトンネルで潜り、左岸を南下してパリ市南東部のメゾン・ブランシュ駅に至り、ここで2つの支線に分岐する。ヴィルジュイフ方面の支線はそのまま南下して市境を越え、ヴァル=ド=マルヌ県ヴィルジュイフ市のヴィルジュイフ=ルイ・アラゴン駅に至る。イヴリー方面の支線は一旦東に曲がってブールヴァール・デ・マレショーの地下を進み、ポルト・ディヴリーで南東に曲がって市境を越え、イヴリー=シュル=セーヌ市のメリー・ディヴリー駅に至る。

歴史

1898年のメトロ整備計画では、7号線(H線)はパレ・ロワイヤル(現パレ・ロワイヤル=ミュゼ・デュ・ルーヴル駅)からダニューヴ広場(現7bis線ダニューヴ駅)への路線とされていた。ただし用地の問題からパレ・ロワイヤル側の終点はルーヴル宮殿中庭のカルーセル広場に設けることになっていた。この計画ではルーヴルの地下を横切ることになっていたため、ルーヴル美術館や当時宮殿の一部を使用していた大蔵省の同意が得られず、1905年に市は計画を修正して終点をオテル・ド・ヴィル(現1号線オテル・ド・ヴィル駅)とした。さらに北側ではルイ・ブランからポルト・ド・ラ・ヴィレットまでの支線の建設と、ダニューヴからプレ・サン・ジェルヴェおよびプラス・ド・フェットへの延伸(現7bis線の経路)が決められた。1907年には南側をバスティーユ(現1、58号線バスティーユ駅)まで延伸することが決められた。

1910年にまずオペラ〜ポルト・ド・ラ・ヴィレット間が開業した。プレ・サン・ジェルヴェ方面の支線は採石場跡などでの難工事の影響で少し遅れた。1916年にはパレ・ロワイヤルまで延長された。オテル・ド・ヴィル方面への延伸はルーヴルをはじめとする歴史的建築物の基礎を避けることや、この地域には中世以来の遺跡が何層にも重なっていること、さらにセーヌ川沿いを通ることから浸水対策も必要であることから難工事となった。ポン・ヌフ〜ポン・ノートルダム(現シャトレ駅)間の一部では17世紀の水路跡のアーチがメトロのトンネルとして再利用されている。仮の終点とされたポン・マリーまで開通したのは1926年のことである。

一方現7号線の南半部はもともとオデオン(現10号線オデオン駅)とポルト・ディタリーあるいはポルト・ド・ショワジーを結ぶ路線として計画されたものである。結局7号線のバスティーユへの延伸は取りやめられ、セーヌ川を渡ってこの新路線と直通することになり、1931年ポルト・ディヴリーまで開通した。なおセーヌ川のトンネルが供用されるまでの短期間、プラス・モンジュ以南の区間は10号線カルディナル・ルモワール〜プラス・モンジュ間の連絡線を介して10号線の一部として運転されていた。

第二次世界大戦後には南側で市境を越えてメリー・ディヴリー(イヴリー市庁舎)にまで達した。一方北側では、ポルト・ド・ラ・ヴィレット方面とプレ・サン・ジェルヴェ方面の輸送量の差が問題となっていた。ポルト・ド・ラ・ヴィレットが北東部郊外へのバスターミナルとなったためである。このため1967年に輸送量の少ないプレ・サン・ジェルヴェ方面への直通運転を取りやめ、ルイ・ブラン〜プレ・サン・ジェルヴェ間を7bis線として分離した。

1980年代には北側でも郊外まで延伸され、また南側ではヴィルジュイフ方面への支線が建設された。

年表

車両

車内

1979年以降はMF77が使われている。5両編成で1、3、5両目が電動車である。7号線は途中で分岐しているため、側面にメリー・ディヴリー行かヴィルジュイフ方面行かを表示する装置がある。

車両基地はショワジー(Choisy)にあり、ポルト・ディヴリー駅南側から入線する。ショワジー車両基地は235910123bisの各線で用いられているMF67と7bis線用のMF88の改修を行う基地でもある。ただし7号線用のMF77の改修作業は4号線のサン=トワン(Saint Ouen 発音例)車両基地で行われる。

メリー・ディヴリーへの延伸以前はポルト・ド・ラ・ヴィレット駅の西にあるパルク・ド・ラ・ヴィレット(Parc de la Villette)車両基地が使われていた。この基地は現在保線用車両の基地となっている。

駅一覧

本線・イヴリー方面

駅名 接続路線 所在地
ラ・クールヌーヴ=ユイ・メ・ミルヌフサンキャラントサンク駅 La Courneuve - 8 Mai 1945 トラム 1号線 ラ・クールヌーヴ
フォール・ドーベルヴィリエ駅 Fort d'Aubervilliers   オーベルヴィリエ
オーベルヴィリエ=パンタン=キャトル・シュマン駅 Aubervilliers - Pantin - Quatre Chemins   オーベルヴィリエ、パンタン
ポルト・ド・ラ・ヴィレット駅 Porte de la Villette
Cité des Sciences et de l'Industrie
トラム: 3b線 パリ 19区
コランタン・カリウー駅 Corentin Cariou  
クリメ駅 Crimée  
リケ駅 Riquet  
スターリングラード駅 Stalingrad メトロ 2号線 5号線 10区、19区
ルイ・ブラン駅 Louis Blanc メトロ: 7bis線 10区
シャトー・ランドン駅 Château-Landon トランシリアン J線(パリ東駅
フランス国鉄(パリ東駅)
東駅 (ガール・ド・レスト) Gare de l'Est メトロ: 4号線 5号線
RER E線(マジャンタ駅)
トランシリアン: P線(パリ東駅)
フランス国鉄(パリ東駅)
ポワソニエール駅 Poissonnière   9区、10区
カデ駅 Cadet   9区
ル・ペルティエ駅 Le Peletier  
ショセ・ダンタン=ラ・ファイエット駅 Chaussée d'Antin - La Fayette
(Colonel Rol-Tanguy)
メトロ: 9号線
オペラ駅 Opéra メトロ: 3号線 8号線
RER: A線オーベール駅
2区、9区
ピラミッド駅 Pyramides メトロ: 14号線 1区
パレ・ロワイヤル=ミュゼ・デュ・ルーヴル駅 Palais-Royal - Musée du Louvre メトロ: 1号線
ポン・ヌフ駅 Pont-Neuf  
シャトレ駅 Châtelet メトロ: 1号線、 4号線、 11号線 14号線
RER: A線、 B線 D線シャトレ=レ・アル駅
1区、4区
ポン・マリー駅 Pont Marie
Cité des Arts
  4区
シュリー・モルラン駅 Sully - Morland  
ジュシュー駅 Jussieu メトロ: 10号線 5区
プラス・モンジュ駅 Place Monge
Jardin des Plantes - Arènes de Lutèce
 
サンシエ=ドバントン駅 Censier - Daubenton  
レ・ゴブラン駅 Les Gobelins   5区、13区
プラス・ディタリー駅 Place d'Italie メトロ: 5号線、 6号線 13区
トルビアック駅 Tolbiac  
メゾン・ブランシュ駅 Maison Blanche メトロ: 7号線(ヴィルジュイフ方面)、 14号線
ポルト・ディタリー駅 Porte d'Italie トラム: 3a線
ポルト・ド・ショワジー駅 Porte de Choisy トラム: 3a線、 9号線
ポルト・ディヴリー駅 Porte d'Ivry トラム: 3a線
ピエール・エ・マリー・キュリー駅 Pierre et Marie Curie   イヴリー=シュル=セーヌ
メリー・ディヴリー駅 Mairie d'Ivry RER: C線(イヴリー=シュル=セーヌ駅)

ヴィルジュイフ方面

駅名 接続路線 所在地
メゾン・ブランシュ駅 Maison Blanche メトロ: 7号線(イヴリー方面)、 14号線 パリ 13区
ル・クレムラン=ビセートル駅 Le Kremlin-Bicêtre   ル・クレムラン=ビセートル
ヴィルジュイフ=レオ・ラグランジュ駅 Villejuif - Léo Lagrange   ヴィルジュイフ
ヴィルジュイフ=ポール・ヴァイヤン・クチュリエ駅 Villejuif - Paul Vaillant-Couturier
Hôpital Paul Brousse
 
ヴィルジュイフ=ルイ・アラゴン駅 Villejuif - Louis Aragon トラム: 7号線

参考文献

  • Jean Tricoire, Un Siècle de Métro en 14 Lignes: De Bienvenüe à Météor, 第3版, La Vie du Rail, 2004年, ISBN 2-915034-32-X.

脚注

関連項目

外部リンク




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