ハンドフルートの誕生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 14:47 UTC 版)
「ハンドフルート」の記事における「ハンドフルートの誕生」の解説
起源 森光弘(もりみつひろ・東京都江東区出身・東京音楽大学卒業)は幼少時代、フクロウの鳴き真似として父から手笛を教わった。 森の実家は音楽教室で、幼少の頃からエレクトーンやピアノに触れて育っていたが、その手笛を夢中になって吹いているとあるとき音程を変えられることに気付く。 その後、手の中の空洞の広さを変えることによって音程を変える独自の方法を開拓していき、いつしか自身の好きなアニメのテーマを吹いて遊ぶことが出来るなど、自分の中の特技として発展していった。 東京音楽大学在籍中、森は職員として勤めていた指笛奏者の中村倫二に誘われ、学内の芸術祭でその手笛の演奏を初披露した。 森は当時音楽教諭を目指し同大学音楽教育科で勉強していたが、その演奏での聴衆の反応によって「まだ誰にも知られていないこの奏法を多くの方々に広めていかなくてはいけない」と使命感を持ち、それまで人前で聴かせるものではないと思っていた考えが改まり、卒業後の進路を変更するきっかけになった。 手笛には様々な音の出し方があり、それらは当時通称で「ハンドオカリナ」や、また海外では「ハンドホイッスル(handwhistle)」と呼ばれていたが、森の奏法はその従来の手笛とは組み方や音程の変え方などが異なり、森が独自に開拓していったものだった。 そのため自身の奏法を広めるにあたって新たな呼称を命名することにし、親しみやすさを込めて造語で「ハンドフルート(handflute)」と名付けたのであった。 森は同級生で、同大学ピアノ演奏家コースの臼田圭介とハンドフルートとピアノのデュオ「CHILDHOOD(チャイルドフッド)」を結成し、音楽活動を開始。 その一環でYouTubeに動画を投稿していたところ注目を浴びるようになり、国内外にその奏法と名称が広まっていった。 森には、奏法が広く知られていってほしいという思いがあり、初期の頃からレクチャーを積極的に行なっていた。当初はCHILDHOODのコンサートでハンドフルートのやり方を説明するコーナーが定番だったが、近年では森自身が執筆したハンドフルート初の教則本の出版やシダックスカルチャーワークスでの講座を開講するなど、ハンドフルートの拡がり方も変化してきている。 定義 成り立ちや、両手を組んで息を吹き込み音を出すという構造の特性上、しばしば”手笛の総称”としてハンドフルートという呼称が用いられることがあるがそれは誤りである。 森光弘が楽器として確立させた奏法に造語で命名したものがハンドフルートであり、それ以前にその名称が用いられていたことも、また一般的には手笛が楽器として定義づけられ、認識されていたこともない。 しかし、その起源や由来などが十分に伝わりきっていないためか、現状は呼称を誤用されていることが多い。
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