ネイチャーの購読
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 16:29 UTC 版)
サイエンスやPNASなどの他の総合学術誌が、オンライン限定アクセス、つまり紙媒体を配信せずにオンラインのアクセスのみの配信方法を認める代わりに安価で記事を閲覧可能とする配慮をしているのに対し、ネイチャーの場合は、日本国内向けには「オンライン限定のアクセスに限定するかわりに安価に論文を購読できるオプション」はない。2011年から、iPad用のアプリを使えば安価に定期購読できるようになった。 ネイチャーを個人購読した場合には、オンラインアクセスの権利が付与されるが、この権利は極めて限定的である。個人購読の場合、オンラインアクセスは約10年前から現在まで(2008年時点では1997年から2008年)に発行された記事に限定される。これ以前の記事はNature Archiveの扱いとなる。 2016年現在、Nature Archiveは下記の2種類に分類される。 Archive of issues : Nature:1950年以降の記事を含む。 Nature archive: 1869-1949:1869年 - 1949年の記事を含む。 日本でネイチャーを購読した場合にはNature Archiveへのオンラインアクセス権が存在しないことは、日本語のSubscriptionフォーム上には明記されず、曖昧にされていて、個人向けにはFAQにおいて、英国本社のサイトをみるように指示されているのみである。つまり、個人向けには、10年以上前の論文への安価なアクセス手段は、事実上ない。対照的に、サイエンスの場合は個人向けのオンライン限定アクセスを購入した場合、定価(税抜き)で$199だが、常に割引状態であり(学生やポスドクなら1万円/年以下、その他は1万円/年程度で可能)、創刊以降全ての記事を読むことが可能である。PNASの場合には、10年以上前の記事は無料で誰でもアクセス可能である。論文1個1個を個別に閲覧する場合の価格は、~18$/記事 とされているが、原著論文 (Article) の場合には30$/記事である。アクセス権は7日間に限り有効で、それ以降は消滅する。 また、日本国内でのネイチャーの購読価格は米国での購読に比べ極めて高価である。米国内在住の場合は税抜きで$199/年(約2万円/年)であるのに対し、日本国内では個人5.35万円/年 程度かかる。この価格は、他の総合学術誌の価格に比べても大幅に高価であり、さらに個人でフィジカル・レビュー全誌をオンラインで購入するのに必要な価格(実勢)よりも高価である。バックナンバーはクレジットカード決済はオンライン注文できるが、学術関係者・法人での銀行振込では日本出版貿易の扱いとなり、個人ではクレジットカード決済でのオンライン注文か洋書を扱っている店舗・書店での購入となる。 日本国内のネイチャー購読者は、自動的にNature ダイジェストの購読者とされ、30-40ページほどの日本語で書かれた小冊子が毎月送られるという特典がある。
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